江藤夏雄

江藤 夏雄（えとう なつお）

江藤夏雄は、1903年7月9日に東京で生まれ、1968年1月28日に他界した日本の政治家です。政治家の家系に生まれた彼は、初代司法卿であった江藤新平の孫にあたります。父は衆議院議員の江藤新作で、冬に生まれた兄が「冬雄」と名付けられたことに因んで、夏に誕生した彼も「夏雄」と名付けられました。

彼は第五高等学校を経て、1928年に京都帝国大学経済学部を卒業。その後、南満洲鉄道に勤務し、続いて満洲国の官吏や興亜院の秘書官としてキャリアを積みました。日本が戦後、新しい政治体制へと移行する中で、1946年3月には第22回衆議院議員総選挙に日本自由党所属で佐賀選挙区から出馬し、初当選を果たします。

政界における彼の活動は、その後の時代の変化に影響を受けました。GHQによる公職追放の影響もあり、しばらくは議員としての活動をしていませんでしたが、1952年10月に第25回衆議院議員総選挙に自由党から再び出馬します。この選挙では次点で敗れましたが、当選した愛野時一郎の死去により繰り上げ当選を果たしました。

その後の第26回衆議院議員総選挙でも自由党吉田派に所属し当選を果たしますが、1955年の第27回衆議院議員総選挙では落選しました。次の年に結成された自由民主党佐賀県連では佐賀市支部長を務めましたが、その後政界の一線を退くこととなります。

議員としての業績の中には、帝国議会時代の第90回帝国議会衆議院帝国憲法改正小委員会への参加があり、日本国憲法の誕生に寄与したことが挙げられます。また、第5次吉田内閣では防衛政務次官を務め、その国防政策にも貢献しました。

晩年の江藤は、政治的な活動を続けることができず、1968年に64歳で亡くなります。死後、勲四等旭日小綬章が追贈され、従五位から正五位に昇叙されました。

彼の家系には、彼の三男である江藤小三郎が存在しましたが、彼は1969年の建国記念の日に国会議事堂前で自決するという悲劇を迎えています。このように、江藤家は日本の政治界において著名な役割を担ってきた家系であり、江藤夏雄もその一環として重要な人物でありました。彼に関する資料としては、1969年に刊行された「江藤夏雄著作集」があります。

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