当間重剛

当間重剛は、1895年3月25日に沖縄県那覇市で生まれ、1971年10月20日に生涯を閉じました。ジャーナリストであり初代那覇市長であった当間重慎の息子として、彼は幼少期から政治の世界に近い環境で育ちました。沖縄県立第一中学校、旧制第三高等学校を経て、1920年に京都帝国大学法学部を卒業。高い学識と教養を身につけました。

1939年、当間は那覇市長に選出され、政治家としてのキャリアを本格的にスタートさせます。戦時中は大政翼賛会沖縄県支部長を務め、当時の政治体制に深く関与しました。しかし、沖縄戦後にはその立場を一転させ、沖縄民政府行政法務部長として、戦後の沖縄の復興に尽力しました。

1946年、米軍の特別措置により、戦前の市町村長経験者として再び那覇市長に就任。その後、琉球上訴裁判所首席判事を経て、1953年には那覇市長に再選されました。首里市や小禄村との合併を実現させ、那覇市の発展に大きく貢献しました。1956年には、比嘉秀平主席の急死を受け、琉球政府行政主席に就任しました。

主席在任中は、沖縄における重要課題であった軍用地問題の解決に尽力しました。また、沖縄人民党を中心とする民主主義擁護連絡協議会とは対立し、自らの後任市長となった瀬長亀次郎を排除するなど、強権的な姿勢を見せる場面もありました。一方で、ラジオ沖縄や沖縄テレビ放送の社長を務め、メディア界にも影響を与えました。

当間は、沖縄復帰運動に対して懐疑的な立場を取り、「沖縄人の沖縄をつくる会」の会長を務めました。また、かつての部下であった崎間敏勝らが琉球独立党（現在のかりゆしクラブ）を結成すると、これを支持するなど、独自の政治思想を持っていました。実弟の当間重民も、貴族院議員や那覇市長を務めました。

当間重剛は、激動の時代を生きた政治家として、沖縄の歴史にその名を刻んでいます。その功績は多岐にわたり、今日の沖縄の礎を築いた一人として、その名前は記憶されるべきでしょう。

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