油木北

油木北（ゆききた）

概要

油木北は、岡山県津山市の南部、かつての久米町域に位置する地域名称です。郵便番号は709-4635が割り当てられています。地域名の読みは「ゆききた」です。この地域は、古くから農業を主体とした集落が形成されてきたと推測され、周辺地域との合併・編入を経て現在の津山市の一部となりました。

地理

地理的には、倭文川（しとりがわ）の流れる河川沿いの沖積地に開けた土地であり、特に倭文川を基準にして、その北側から西側にかけて位置しています。倭文川は地域の主要な水源であり、生活や農業に深く関わってきました。周辺は田園風景が広がっており、自然豊かな環境の中に集落が点在しています。

歴史

油木北の歴史は、明治時代に施行された町村制以降、度重なる行政区画の変更を経て今日に至ります。

近代以降の沿革

明治22年（1889年）6月1日: 町村制が施行されると、それまでの久米北条郡油木北村は単独で村制を敷くのではなく、近隣の里公文村、里公文上村、油木上村、油木下村と合併し、新たに倭文中村の一部となりました。この合併により、旧油木北村の区域は大字「油木北」として引き継がれ、さらに倭文中村の役場が当地に設置されることになりました。これは、油木北が倭文中村の中心的な役割を担ったことを示しています。
明治33年（1900年）4月1日: 郡制の改正に伴い、久米北条郡と久米南条郡が合併して久米郡が誕生しました。これにより、倭文中村は大字油木北を含め、久米郡所属となりました。
昭和15年（1940年）9月1日: 久米郡内の再編が進み、倭文中村は隣接する倭文東村と合併し、新たな「倭文村」が発足しました。この合併により、油木北は倭文村の大字となりました。
昭和30年（1955年）1月1日: 昭和の大合併と呼ばれる広域合併の波の中で、倭文村はさらに規模を拡大し、大井町および久米村と合併して「久米町」が誕生しました。この結果、油木北は久米町の大字となりました。
平成17年（2005年）2月28日: 平成の大合併により、久米町は苫田郡加茂町・阿波村、勝田郡勝北町とともに津山市に編入されました。これにより、油木北は津山市の一部となり、現在に至っています。

このように、油木北は明治以来、倭文中村、倭文村、久米町を経て、最終的に津山市の一部となるという変遷をたどってきました。

人口・世帯数

油木北地域の正確な人口や世帯数に関する最新の統計は、津山市が定期的に公表する町別・大字別のデータによって把握されています。（具体的な数値は変動するため、最新の統計を参照してください）

教育

油木北に居住する児童・生徒が通学する市立の小・中学校については、津山市教育委員会によって学区が定められています。これは津山市内の他の地域と同様に、住所に基づいて指定されています。

交通

地域内の主要な交通路として、国道429号が通過しています。この国道は、地域の住民が津山市中心部や周辺地域へ移動する際の主要な幹線道路として機能しています。かつては旧街道や農道が中心でしたが、近代以降の道路網整備により、利便性が向上しました。

施設

油木北地域内には、地域の信仰や歴史に関わる神社がいくつか存在します。代表的なものとして、以下の神社が挙げられます。

倭文神社（しとりじんじゃ）
少彦名神社（すくなひこなじんじゃ）

これらの神社は、地域の歴史や文化を伝える重要な存在であり、住民の精神的な拠り所ともなっています。

参考文献

本項の記述にあたり、以下の文献が参照されています。

和泉橋警察署 編 『新旧対照市町村一覧』第2冊（加藤孫次郎、1889年）
* 地名編纂委員会 編 『角川日本地名大辞典33 岡山県』（角川学芸出版、1989年）

これらの文献は、特に明治期の町村制施行時の状況や、その後の行政区画の変遷、地域の地理的・歴史的背景を知る上で貴重な情報を提供しています。

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