法蔵寺 (岡崎市)

法蔵寺の概要

法蔵寺（ほうぞうじ）は、愛知県岡崎市本宿町に位置する浄土宗西山深草派に属する寺院です。山号は「二村山」といい、本尊には阿弥陀如来が安置されています。寺の住所は、愛知県岡崎市本宿町寺山1です。

歴史の変遷

法蔵寺の歴史は古く、かつて「出生寺」として知られ、法相宗の古刹でした。飛鳥時代に行基が観音菩薩像を安置し、出生寺を設立したと伝えられています。その後、平安時代には僧侶空海が訪れ、寺は真言宗に改宗されました。

南北朝時代には竜芸上人によって浄土宗に転換され、名も「法蔵寺」とされました。その後、徳川家の始祖である松平親氏が伽藍を整え、松平家の菩提寺となりました。松平氏の2代目当主である松平泰親の長男、教然は法蔵寺で戒律を受けています。また、徳川家康が幼少期に、住持の教翁上人の指導を受けたことも有名です。家康が使用した硯箱や硯石、手本、机などが現在でも残されています。

江戸時代には、法蔵寺は深草派の三河三檀林の一つとして重要な役割を果たしていました。

主な歴史的出来事の年表

• - 701年（大宝元年）：行基により法相宗の「二村山出生寺」が創建されたといわれています。
• - 1385年（至徳2年）：教空龍芸によって浄土宗の「法蔵寺」に改名されます。
• - 1441年（嘉吉元年）：松平親氏が伽藍を建立します。
• - 1547年（天文16年）：徳川家康が伯父の教翁から指導を受けます。
• - 1560年（永禄3年）：家康から守護不入の特権が与えられます。
• - 1642年（寛永19年）：徳川家光から朱印地82石を授かります。
• - 1826年（文政9年）：シーボルトが参拝します。
• - 1868年（明治元年）：住職の孫、空義天が近藤勇の首を祀ります。

境内の施設

法蔵寺の境内には、本堂や山門、鐘楼門、六角堂、東照宮といった重要な建物があります。特に本堂は、信者たちが参拝する中心的な場所です。

文化財

法蔵寺には、多くの文化財が存在します。愛知県指定の有形文化財には、銅鐸やさまざまな絵画、木造の聖観音菩薩立像などがあります。また、岡崎市指定の文化財には、徳川家康が戦いで着用した衣類や破魔弓、青磁の花瓶、梵鐘も含まれています。

松平家の霊廟

法蔵寺内には松平家の霊廟もあります。ここには、徳川家康の父である松平広忠や異母兄の松平忠政、家康の長女亀姫、妹市場姫などの墓があります。また、伝近藤勇の首塚もあり、そのユニークな歴史に触れることができます。

アクセス

法蔵寺へは、名鉄名古屋本線の本宿駅から徒歩約7分とアクセスも良好です。歴史と信仰の深いこの寺院は、多くの訪問者にとって魅力的なスポットとなっています。

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