浅川 (長野県)

浅川（あさかわ）

浅川は、長野県内を流れる信濃川水系の一級河川です。その名は、上流部で水が少なく、古くは「浅河原（あさがら）」と呼ばれていたことに由来すると言われています。上流から下流にかけて、地形や歴史の影響を受けながら、その姿を変えていくのが特徴です。

地理

浅川は、北信五岳の一つである飯縄山（標高1,917m）に源を発します。源流部の上浅川は、長野市中曽根付近で北浅川と名を変え、浅川ループラインに沿って下っていきます。この北浅川には、田中康夫元長野県知事の「脱ダム宣言」で注目を集めた浅川ダムがあります。一方、南浅川は長野市門沢の戸隠バードライン付近から地附山・城山の北側を通り、真光寺ループ橋付近で北浅川と合流し、浅川として南東へ流れていきます。

上流部の谷間を抜けると、長野市上松五丁目あたりで扇状地が開けます。この周辺には、檀田、吉田、稲田といった住宅地が広がっています。古くは天井川であり、稲作が盛んであったものの、度重なる水害に悩まされてきた地域でした。しかし、近年の河川改修により天井川は解消され、市街地に近い住宅地として発展しました。扇状地の扇端付近では、しなの鉄道北しなの線と交差しますが、この場所もかつては線路が川の下をくぐっていた場所でした。

北しなの線を過ぎると、長野市富竹で浅川は南東から北東へ流れの向きを変えます。かつてはそのまま東へ流れ、長沼付近で千曲川に合流していましたが、佐久間氏が長沼城を守るために瀬替えを行ったとされています。その後、長野市上駒沢の中央橋下で新田川、下駒沢の落合橋下で駒沢川を合わせ、北部工業団地を過ぎると北に向きを変えます。

北陸新幹線の高架をくぐり旧豊野町に入ると、田子川、隈取川と合流し、再び北東へ流れを変えます。この周辺はリンゴ栽培が盛んで、東側に並行する国道18号はアップルラインと呼ばれています。長野新幹線車両センターの北を流れ、大道橋下で三念沢川と合流し、豊野町中心部の南側を流れます。長野市豊野町浅野は標高327.4mと市内最低地点であり、周辺の赤沼、長沼地区を含めて、長年水害に悩まされてきた地域です。

浅川新橋を過ぎると上高井郡小布施町に入り、すぐに鳥居川とともに千曲川に合流します。

支流

浅川には、以下の支流があります。

三念沢川
隈取川
田子川
駒沢川
新田川

流域自治体

浅川の流域には、以下の自治体が含まれます。

長野県
長野市
上高井郡小布施町

歴史

浅川流域は、古くから水害に悩まされてきた歴史があります。江戸時代には、浅川の水利について利害調整を行うため、「浅河原掛り拾ヵ村」が結成されました。以下は、主な水害の記録です。

1939年（昭和14年）4月15日：論電ヶ谷池の堤防が決壊し、浅川に濁流が流れ込み、甚大な被害が発生。
1961年（昭和36年）6月：水害により浸水被害が発生。
1973年（昭和48年）8月：水害により浸水被害が発生。
1981年（昭和56年）8月：水害により浸水被害が発生。
1982年（昭和57年）9月：水害により浸水被害が発生。
1983年（昭和58年）9月28日：水害により浸水被害が発生。
1988年（昭和63年）8月17日：水害により浸水被害が発生。
2004年（平成16年）10月19日：台風23号により浸水被害が発生。

1973年には「浅川改修期成同盟会」が設立され、河川改修への取り組みが始まりました。1985年には浅川ダム建設事業が国庫補助として採択されましたが、2001年に田中康夫長野県知事（当時）が「脱ダム宣言」を行い、ダム建設は中止されました。その後、2007年に治水専用ダムとして浅川ダムの建設が決定し、2017年に運用が開始されました。

橋梁

浅川には、多くの橋が架かっています。以下は、下流から上流に向けて主な橋の一覧です。

浅川
浅川新橋
谷脇橋
碧雲橋
小瀬橋
浅川橋（県道66号）
大道橋
直ノ橋
浅川橋（長野市道）
五反田橋
三駒橋
落合橋
神楽橋
中央橋
清水橋
金箱大橋
富竹大橋
弘誓大橋
稲田南原橋
小町大橋
砂田橋
他力橋
稲田大橋
西山田橋
平成橋
北部大橋
檀田大橋
浅川橋（県道37号）
宇木大橋
東条橋
湯谷大橋

北浅川
真光寺ループ橋
長原橋
法利田橋
中曽根大橋
中曽根3号橋

南浅川
畑山橋

周辺施設

浅川の周辺には、以下の施設があります。

長野市役所 豊野支所
豊野駅
長野新幹線車両センター
長野県障害者福祉センター（サンアップル）
長野県立総合リハビリテーションセンター
長野市役所 古里支所
辰巳公園
長野県長野吉田高等学校
長野市役所 浅川支所
八櫛神社（ブランド薬師）

脚注

（省略）

関連項目

浅川ダム
浅川ループライン

外部リンク

* 長野県浅川改良事務所

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