浜田敦

浜田 敦 (はまだ あつし)

浜田敦は、1913年に京都で生まれた日本の日本語学者で、1996年に亡くなりました。彼は京都大学の名誉教授としてその名を知られています。彼の人生と業績は、国語学の発展に大きく寄与しました。

経歴

浜田敦は、父・浜田耕作のもと、京都で成長しました。彼は1939年に京都帝国大学の文学部を卒業し、新村出の指導を仰ぎました。その後、戦後の教育機関である大阪市立大学の助教授に就任しましたが、1956年からは京都大学文学部の助教授として活動するようになりました。1969年からは国語学主任教授の職を務め、1977年までその役割を果たしました。彼は1996年9月に心不全で亡くなりました。

業績

浜田敦の研究は、国語学的なテーマを網羅しており、特に上代日本語、中古日本語、中世日本語に焦点を当てていました。彼の音韻研究は、音韻の歴史的な変化を追求し、日本語の音韻の歴史を解明することに力を入れました。音韻体系だけでなく、その外部から生じた音に関しても詳細に述べることが特徴的でした。文法に関しては、文章に含まれる微妙なニュアンスを捉えながら、用例を丁寧に探し、その意味や変遷、さらには語源にも言及しました。彼の研究は広範な用例を基にしており、豊富な解説とともに、断定を避ける表現が多いことも目立ちます。また、従来あまり国語学の研究で用いられてこなかった古文書や中国、朝鮮の資料を総合的に活用した点も評価されています。特に外国資料の活用は、彼の晩年に至るまで一貫して続けられました。

人物

浜田敦は、大学の単位制度に対して否定的な考えを持ち、学生の学びを阻害するものだとしていました。そのため、単位取得に関しては、名簿への登録のみで認める方法を採用していましたが、このことは同僚の教授たちから批判を受けました。彼は学生や院生を研究者と見なし、決して雑用に使うことはなく、彼らの研究に対する関心を尊重しました。彼の論文は慎重に記述されており、日常の会話では断定的な言動が目立ちながら、学術的な議論ではより控えめなスタンスを取っていました。

著書

浜田敦は多くの著書を残しており、特に以下の単著が挙げられます：

• - 『古代日本語』 大八洲出版 (1946年)
• - 『朝鮮資料による日本語研究』 岩波書店 (1970年)
• - 『続朝鮮資料による日本語研究』 臨川書店 (1983年)
• - 『日本語の史的研究』 臨川書店 (1984年)
• - 『国語史の諸問題』 和泉書院 (1986年)

また、編著や共著としても多くの作品がありますが、いくつかは以下の通りです：

• - 井手至、塚原鉄雄との共著『国語副詞の史的研究』 (1954年 - 1991年)
• - 校訂した『徒然草』や
• - 解題を手掛けた邨岡良弼の『日本地理志料 』なども、その成果といえます。彼は国語学の領域を広げるために尽力し、その影響は今もなお残っています。

参考文献

彼に関する研究は数多く存在し、木田章義による「新日本語学者列伝：浜田敦」が特に重要な文献の一つとされています。この文献は『日本語学』第31巻第7号に掲載され、彼の業績を振り返る上で notableな資料となっています。

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