浮島町 (川崎市)

浮島町（うきしまちょう）

概要

浮島町は、神奈川県川崎市川崎区に位置する町名です。多摩川、東京湾、大師運河、多摩運河に囲まれた埋立地であり、神奈川県の内陸部最東端に位置しています。面積は約4.84平方キロメートルで、人口はごくわずかです。京浜工業地帯の重要な一角を担い、石油化学コンビナートをはじめとする多くの工場が立地しています。また、1997年に開通した東京湾アクアラインと首都高速道路が交わる川崎浮島JCTが設けられ、交通の結節点としての重要性が増しています。

地理

浮島町は、北西から南東にやや細長い形状の埋立地です。多摩川河口の浮洲を埋め立てて造成されました。周囲は多摩川、東京湾、大師運河、多摩運河に囲まれており、内陸部でありながら水運にも恵まれた立地です。石油化学コンビナートが多数立地し、京浜工業地帯の中核をなしています。1997年に東京湾アクアラインが開通し、首都高速湾岸線・首都高速川崎線と接続する川崎浮島JCTが設けられたことで、交通の要衝としての重要性が高まっています。川崎市による埋立事業は現在も継続中です。

歴史

地名の由来

地名の由来は、多摩川河口にあった浮洲を埋め立てたことに由来します。

沿革

1762年（宝暦12年）：『池上家文書』に三本葭島に隣接した末広島という島が確認されています。当時は原野で、常夜灯が設置されているのみでした。
1912年（明治45年）：境界が多摩川を境に整理され、川崎町に編入されました。
1956年（昭和31年）：港湾審議会の決定により、埋立事業が開始されました（1957年）。
1960年（昭和35年）10月12日：日網石油精製（後のキグナス石油精製→東燃ゼネラル[[石油]]、現・ENEOS）川崎製油所が操業を開始しました。
1960年（昭和35年）11月28日：ゼネラル石油（現・ENEOS）川崎製油所が操業を開始しました。
1961年（昭和36年）：造成が完了し、末広島は末広町、埋立地は浮島町となりました。
1962年（昭和37年）3月13日：東亜燃料工業（現・ENEOS）川崎工場が操業を開始しました。
1963年（昭和38年）：3,794,563ヘクタールの第1期埋立事業が完了しました。
1964年（昭和39年）3月25日：神奈川臨海鉄道浮島線が開通しました。
1965年（昭和40年）4月：日本カーフェリー（後のマリンエキスプレス）による、川崎港-木更津港・市原港航路が開設されました（市原航路は1974年7月まで運航）。
1971年（昭和46年）3月：日本カーフェリーによる、川崎港-日向細島港航路が開設されました（1994年には宮崎港航路を開設）。
1974年（昭和49年）：住居表示が実施され、末広町と浮島町が合併し、浮島町となりました。
1987年（昭和62年）：東京湾アクアラインが着工されました。
1994年（平成6年）12月21日：首都高速湾岸線が開通しました。
1997年（平成9年）12月12日：首都高速湾岸線浮島出入口が供用開始されました。
1997年（平成9年）12月18日：東京湾アクアラインが開通しました。
1997年（平成9年）12月：木更津航路の運航が終了しました。
2002年（平成14年）4月：首都高速川崎線が開通しました。
2005年（平成17年）6月：日向・宮崎航路の運航が終了しました。
2011年（平成23年）4月5日：横浜シティ・エア・ターミナルから浮島町地区を経由して江川1丁目への通勤高速バスの運行が開始されました。
2011年（平成23年）10月1日：産業道路駅（現在の大師橋駅）前からJX日鉱日石エネルギー浮島前（現・ENEOS浮島前）への路線バスの運行が開始されました。

事業所

2021年（令和3年）の経済センサス調査によると、多数の事業所と従業員が存在します。詳細な数値は変動するため、最新の統計情報をご確認ください。

交通

道路

北西側：多摩運河を渡る浮島橋を経て、国道409号（浮島通り）が川崎市街へ通じています。また、首都高速川崎線も利用可能です。
北東側：首都高速湾岸線多摩川トンネルを経て、羽田空港・東京都心方面へアクセスできます。
南西側：首都高速湾岸線川崎航路トンネルを経て、東扇島・横浜市街方面へアクセスできます。
南東側：東京湾アクアラインが川崎人工島（神奈川県最東端）を経て、東京湾対岸の木更津市とを結んでいます。
島外へ徒歩・自転車で往来できるのは、国道409号浮島橋のみです。

バス

川崎鶴見臨港バスが、浮島バスターミナルと川崎駅間、大師橋駅とENEOS浮島前間を結んでいます。
平日・土曜の通勤時間帯には、川崎鶴見臨港バスが横浜シティ・エア・ターミナルから浮島町地区を経由して江川1丁目への通勤高速バスを運行しています。
川崎駅と木更津駅を結ぶ高速バスは、浮島バスターミナルに停車しますが、木更津方面への利用に限られます。
川崎市バスは2013年4月に撤退しました。

鉄道

神奈川臨海鉄道浮島線の末広町駅と浮島町駅があり、石油製品、化学薬品、変圧器などの製品出荷や、川崎市北部の梶ヶ谷貨物ターミナル駅からの廃棄物輸送に利用されています。
両駅とも貨物専用で、旅客列車の運行はありません。

航路

かつてマリンエキスプレスが、浮島町公園近くのフェリー埠頭から木更津港・日向細島港などへカーフェリー航路を開設していましたが、現在は全て運航を終了しています。

進出企業

浮島町には、以下の主要な企業が拠点を構えています。

JFEコンテイナー川崎工場
ENEOS川崎製油所・川崎製造所浮島地区
日本ユニカー川崎工業所
花王川崎工場
新日本理化川崎工場
日本ブチル川崎工場
日本触媒川崎製造所
旭化成ケミカルズ川崎製造所アクリル樹脂工場
セントラル硝子川崎工場
セントラル化学
日本合成アルコール川崎工場
東芝原子力技術研究所
東芝浜川崎工場
東燃化学川崎工場
東洋製罐川崎工場
日鉄鋼管川崎工場
大王製紙川崎事業所

その他の施設

浮島町公園
浮島太陽光発電所
川崎市環境局浮島処理センター
かわさきエコ暮らし未来館
サンパーキング羽田浮島店

島内には学校はなく、商業施設も工場内の従業員を対象とした小規模な店舗がある程度です。公立の小中学校の学区は、浮島町全体で、川崎市立殿町小学校、川崎市立大師中学校となっています。

その他

郵便番号：210-0862（集配局：川崎港郵便局）
警察：町内の警察の管轄区域は、川崎警察署と川崎臨港警察署に分かれています。

関連項目

浮島町（曖昧さ回避）

外部リンク

* 川崎市港湾局

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