海峡交流基金会

海峡交流基金会（海基会、SEF）とは

海峡交流基金会（かいきょうこうりゅうききんかい、英称：Straits Exchange Foundation、略称：海基会、SEF）は、中華民国（台湾）政府が、中華人民共和国（中国大陸）との交渉を行うために設立した窓口機関です。大陸委員会が所管しており、中国側のカウンターパートは海峡両岸関係協会（海協会）です。

設立の背景

1987年に台湾住民の中国訪問が解禁されたことをきっかけに、台湾と中国大陸との間の民間交流が活発化しました。これに対応するため、1990年11月21日に海基会が発足し、1991年3月9日に財団法人として正式に設立されました。

海基会の役割

海基会は、台湾と中国大陸間の様々な問題について、両岸間の対話と合意形成を促進する役割を担っています。主な活動としては、経済協力、文化交流、人的交流などがあります。また、両岸間の重要な協議や協定の締結にも関与しています。

主要な出来事

1991年3月9日： 海基会設立。初代董事長（理事長）に辜振甫氏が就任。
1991年12月16日： 海協会設立。初代会長に汪道涵氏が就任。
1992年10月： 海基会と海協会の代表者が香港で会談。「一つの中国」原則について、双方の解釈が異なることを相互に認める（「一中各表」）ことで暗黙の合意が形成された（92コンセンサス）。
1993年4月27日～29日： 初の中台トップ会談（第一次辜汪会談）がシンガポールで開催。両岸の公文書査証事務、郵便の取扱い等で合意。
1998年10月14日～18日： 第二次辜汪会談が上海で開催。台湾側は「二つの対等な政治実体」による協議、武力行使の放棄、政治の民主化を要求。基本的原則の合意にとどまる。
2008年6月12日： 15年ぶりのトップ会談（第一次江陳会談）が北京で開催。週末直航チャーター便の運行、中国住民の台湾旅行枠拡大、双方の常設連絡事務所の設置などで合意。この会談で、台湾側はWHOへの参加を目標としていると表明、後にオブザーバー参加が実現。
2008年11月4日： 第二次江陳会談が台北で開催。三通の実現、食品安全協議などで合意。会談後、台湾の学生らによる抗議運動が広がる。
2010年6月29日： 第五次江陳会談が重慶で開催。両岸経済協力枠組協議（ECFA）を締結。

その他の出来事

1995年、李登輝総統の訪米をきっかけに中国側が反発し、第二次辜汪会談が中止。
1996年、台湾初の総統直接選挙に中国側が反発し、台湾海峡ミサイル危機が発生。
1999年、李登輝総統が両岸関係を「特殊な国と国の関係」と定義し、中国側が反発。
2000年、台湾総統選挙で民進党の陳水扁氏が当選し、両岸交渉が中断。
2008年、馬英九氏が総統に当選し、両岸交流が再開。

歴代董事長（理事長）

辜振甫（1990年－2005年1月3日）
張俊雄（2005年1月4日－2007年6月28日）
洪奇昌（2007年6月29日－2008年5月20日）
江丙坤（2008年5月26日－2012年9月）
林中森（2012年9月－2016年5月）
田弘茂（2016年9月－2018年3月）
張小月（2018年3月－2020年6月）
李大維（2020年6月－2020年8月）
許勝雄（2020年8月－2023年1月）
李大維（2023年1月－2024年6月）
鄭文燦（2024年6月－2024年7月）

関連事項

台湾問題
中台関係

外部リンク

財団法人海峡交流基金会
財団法人海峡交流基金会（日本語版）

もう一度検索