淡谷幹彦

淡谷幹彦

淡谷幹彦（あわや みきひこ）は、日本のラテン音楽界を代表する歌手、ギタリストであり、有馬徹とノーチェ・クバーナの2代目リーダー兼オーナーとして知られています。幼少期から音楽に親しみ、その才能を開花させていった彼の軌跡を辿ります。

幼少期からプロデビューまで

6歳からギターを始め、古賀政男が運営する古賀ギター歌謡学院で基礎を学びました。その後、阿部保夫に師事しクラシックギターの研鑽を積みます。15歳という若さでギター教室を開き、指導者としての才能も発揮し始めました。メキシコのコーラスグループ、トリオ・ロス・パンチョスのレキントギター奏者であるアルフレド・ヒルの影響を受け、ラテン音楽への情熱を深めていきます。

1965年のラテン音楽ブームに乗る形で、マナセプロダクションの創立者、曲直瀬正雄が鶴岡雅義、淡谷幹彦、アントニオ古賀の3人によるラテントリオ結成を試みましたが、デビューには至りませんでした。しかし、日本のラテンコーラスグループ、トリオ・ロス・チカノスとの出会いが転機となり、東京キューバンボーイズのコンサートに参加し、プロとしてのキャリアをスタートさせました。トリオ・ロス・チカノスの恩師である吉田秀士から歌唱指導を受け、その実力を磨きました。

有馬徹とノーチェ・クバーナ

その後、有馬徹にスカウトされ、ノーチェ・クバーナの専属歌手として入団。看板歌手として、日本全国、そして海外へと活動の場を広げていきました。その活動中に、劇団民藝の創立者の一人である宇野重吉の目に留まり、劇団民藝の稽古場で行われたオーディションに合格。外部出演として、舞台『泰山木の木の下で』に出演し、448回という長きにわたる公演で観客を魅了しました。宇野重吉からは、劇団民藝の名誉バッジを授与されるという栄誉にも浴しました。

多彩な才能

1965年には、石原慎太郎が作・演出を手掛けた日生劇場ミュージカル『焔のカーブ』に出演。自動車レーサー役を演じました。この役は元々平尾昌晃が出演する予定でしたが、平尾の都合により淡谷が抜擢されることとなりました。現在は、有馬徹とノーチェ・クバーナのコンサートを中心に、外部出演も精力的に行っています。

主な出演作品

映画

1958年：東映『あの女を探せ』(ラテン歌手役)
1968年：民藝映画社『こちらは社会部』

舞台

1963年：劇団民藝公演『泰山木の木の下で』(ギターを弾く男役)
1965年：日生劇場『焔のカーブ』(レーサー役)
1973年：劇団民藝公演『血の婚礼』(歌い手役)
1976年：日本劇場『春のおどり』
2013年：東京FMホール『ジャズマラソン21』
2014年：三越劇場ポピュラーハイライト

代表曲

ラ・マラゲーニャ
マラゲーニャ
ベサメ・ムーチョ
アドロ
太陽は燃えている
グラナダ
ある恋の物語
カチータ
オルフェ
ククルクク・パロマ
エル・クンバンチェロ
ビギン・ザ・ビギン
アマポーラ
いい日旅立ち
誰もいない海
時計(El Reloj)
私たちは恋人同士(Somos Novios)

テレビ出演

数多くのテレビ番組にも出演し、その歌声と魅力を届けています。

『お昼のワイドショー』(1986年 日本テレビ)
『牧野正のケーブルテレビ談話』CVAテレビ
『いい旅・日本』(1990年 TBS)
『ジパングあさ6』(1997年 日本テレビ)
『まるごとワイド』(1997年 静岡第一テレビ)
『旅はパノラマ』(1998年 中京テレビ)
『これがうわさの大御殿』(1998年 テレビ東京)
『なんでもバラエティー』IKCネットワークTV
『出没!アド街ック天国』(2001年 テレビ東京)
『オススメッ』(2008年 日本テレビ)
『守屋弘ケーブル対談』CVAテレビ
* 『第二アサ秘ジャーナルの後継番組』(2010年 TBS)

淡谷幹彦は、その卓越した音楽性と、長年にわたる活動を通して、日本のラテン音楽界に多大な貢献を果たしてきました。彼の情熱と才能は、これからも多くの人々に感動を与え続けることでしょう。

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