清澄庭園

清澄庭園の概要

清澄庭園は、東京都江東区清澄にある都立庭園で、池を中心とした回遊式林泉庭園です。東京都指定名勝にも指定されており、その美しい景観は多くの人々を魅了しています。

歴史

江戸時代

清澄庭園のある場所は、かつては隅田川の河口に広がる低湿地帯でした。江戸時代初期には、深川猟師町として漁業が盛んに行われていましたが、江戸の発展とともに商業中心の町屋へと変化していきました。この地には、仙台藩の蔵屋敷が置かれ、物資の流通拠点として重要な役割を果たしていました。また、大名の下屋敷も多く建てられ、その中には久世家の下屋敷もありました。

明治時代

明治時代に入ると、三菱財閥の創業者である岩崎弥太郎がこの地を購入し、庭園の造成に着手しました。弥太郎は、全国から集めた巨石を配置し、池や築山を整備して、大規模な回遊式庭園を造り上げました。弥太郎の死後、弟の弥之助がその意志を引き継ぎ、庭園の修築を完成させました。弥之助は、庭園を内外の賓客をもてなす社交の場として活用し、日本館や洋館などの建物を新築しました。

大正時代

大正時代になると、岩崎家は庭園の一部を東京市に寄付し、一般公開されました。しかし、関東大震災によって庭園は大きな被害を受け、建物は焼失し、庭木や石組みも損傷しました。その後、庭園は復旧され、市民の憩いの場として親しまれるようになりました。

昭和時代

戦後、庭園は拡張され、隣接する土地も取り込んで、現在の広さになりました。昭和52年には、西側部分が追加開園し、より広い庭園として生まれ変わりました。

主な見所

池：庭園の中心にある広い池は、回遊式庭園の醍醐味を味わえるスポットです。池には大小の島が浮かび、橋が架けられています。また、池の周りには、四季折々の植物が植えられています。
石組み：庭園内には、全国から集められた名石が数多く配置されています。これらの石組みは、庭園の景観に深みを与えています。
つつじ山：ツツジとサツキが植えられた小山で、春には美しい花が咲き誇ります。
磯渡り：池の端を歩けるように石を配置した場所で、水辺の景色を間近に楽しめます。
大正記念館：大正天皇の葬儀に使われた葬場殿を移築した建物です。現在は集会施設として利用されています。
涼亭：明治時代に建てられた数寄屋造りの建物です。集会施設として利用できます。

利用情報

開園時間：午前9時〜午後5時（入園は午後4時30分まで）
入園料：一般150円、65歳以上70円、小学生以下及び都内在住・在学の中学生は無料
団体割引：20名以上の場合、一般120円、65歳以上50円
年間パスポート：一般600円、65歳以上280円
9庭園共通年間パスポート：一般4,000円、65歳以上2,000円
無料公開日：みどりの日（5月4日）、都民の日（10月1日）
集会場（貸室）：涼亭（40名）、大正記念館（150名）
無料庭園ガイド：土・日・月曜日、祝日（午前11時、午後2時）
サービスセンター：清澄庭園サービスセンター（TEL 03-3641-5892）

花暦

清澄庭園では、季節ごとに様々な花を楽しむことができます。

1月：ニホンズイセン
2月：ニホンズイセン、フクジュソウ、ツバキ、ウメ、サンシュユ
3月：ツバキ、ウメ、サンシュユ、カンヒザクラ
4月：ソメイヨシノ、サトザクラ、シャガ
5月：ツツジ、サツキ
6月：サツキ、アジサイ、ハナショウブ
7月：タイワンニンジンボク、サルスベリ
8月：サルスベリ
9月：ヒガンバナ、ハギ、シュウメイギク
10月：シュウメイギク、ツワブキ
11月：ツワブキ、サザンカ、ハゼノキ（紅葉）
12月：サザンカ

交通案内

地下鉄：都営大江戸線・東京メトロ半蔵門線 清澄白河駅 A3出口より徒歩約3分
路線バス：都営バス 門33系統・急行06系統「清澄庭園前」停留所より徒歩約3分
駐車場：なし

まとめ

清澄庭園は、江戸時代から明治時代、そして現代へと歴史を重ねてきた美しい庭園です。都会の中にありながら、自然豊かな空間で、四季折々の風景を楽しむことができます。ぜひ一度訪れて、その魅力を体感してみてください。

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