温見峠

温見峠（ぬくみとうげ）

温見峠は、福井県大野市と岐阜県本巣市根尾の境に位置する峠です。国道157号（国道418号と重複）が通っており、最高地点の標高は約1,020mです。九頭竜川の支流である温見川と、揖斐川の支流である根尾西谷川との分水嶺となっています。

峠は能郷白山の鞍部にあり、その名前は旧西谷村にあった集落の名前に由来しています。現在、大野市温見として地名は残っていますが、その集落は廃村となっています。岐阜県側の根尾村大河原（現在は本巣市根尾大河原）も、冬季は無人集落となります。

歴史

温見峠は、歴史的に重要な役割を果たしてきました。

鎌倉時代: 越前府中（現在の福井県越前市）と鎌倉（現在の神奈川県鎌倉市）を結ぶ最短ルートとして利用され、交通の要衝でした。
戦国時代: 越前朝倉氏が美濃国への侵攻にこの峠を利用し、朝倉氏滅亡後には織田信長が越前一向一揆を鎮圧するために温見峠を越えて越前へ攻め込みました。
江戸時代: 結城秀康が関所を設け、福井藩への敵の侵入を監視しました。
1974年（昭和49年）10月: 主要地方道大野墨俣線の分断区間を結ぶ林道として温見峠林道が全通し、自動車での通行が可能になりました。
1975年（昭和50年）4月: この車道が国道157号に昇格しました。

現況

1974年に開通した車道は、翌年に国道157号となりましたが、温見峠は豪雪地帯（平年の積雪は2mに達する）であるため、毎年12月初旬から大野市中島と本巣市根尾能郷の間が通行止めになります。これは、除雪作業が行われないためです。積雪が落ち着く3月下旬頃から除雪作業が集中的に行われ、5月頃に通行止めが解除されます。

大野市から岐阜市へ通年通行可能なルートとしては、以下のものがあります。

国道158号で福井市に出て、国道8号を南下し、米原市で国道21号を東へ進むルート。
福井県道2号武生美山線で池田町に出て、国道417号冠山峠道路を南下するルート。
国道158号（油坂峠道路経由）で郡上市に出て、国道156号を南下するルート。

温見峠では、トンネルによる抜本的な道路改良案も検討されていますが、同じ県境を越える国道417号冠山峠道路のように、事業化には至っていません。

峠からは能郷白山の山頂へ続く登山道も整備されており、登山客にも利用されています。

周辺の山

姥ヶ岳
越山
能郷白山

関連項目

日本の峠一覧

外部リンク

雪みち情報ネットふくい
岐阜県 道の情報（通行規制等）

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