源兼忠 (村上源氏)

源兼忠（みなもと の かねただ）は、平安時代後期から鎌倉時代初期にかけての公卿であり、村上源氏雅兼流に属し、権中納言・源雅頼の二男として生まれました。壬生中納言と号し、最終的な官位は正三位・権中納言にまで至ります。雅頼の子孫の中でも、兼忠の系統は特に長く、室町時代まで公卿として存続しました。

経歴

以下に、『公卿補任』と『尊卑分脈』に基づいて、彼の詳細な経歴を記述します。

長寛2年（1164年）10月20日、叙爵。
仁安3年（1168年）11月20日、従五位上に昇叙。
承安2年（1172年）10月26日、侍従に任官。
安元2年（1176年）1月30日、備中権介を兼任。
治承3年（1179年）1月5日、正五位下に昇叙。同年11月18日、右少将に任官。
治承4年（1180年）6月29日、大和守を兼任。
養和2年（1182年）4月9日、修理右宮城使に任官。
寿永2年（1183年）12月10日、左少弁に任官。
元暦元年（1184年）9月18日、権右中弁に任官。11月7日には近江権介を兼任（修理右宮城使）。同月17日には従四位下に昇叙、大嘗会の国司に任命。
文治元年（1185年）10月10日、近江守を兼任。12月29日には右中弁、蔵人頭に任官。
文治2年（1186年）4月6日、従四位上に昇叙。12月15日、左中弁に任官。
文治3年（1187年）9月15日、修理左宮城使となる。12月4日、正四位下に昇叙。
文治4年（1188年）10月14日、参議に任官。
文治5年（1189年）1月18日、加賀権守を兼任。
建久元年（1190年）8月3日、父雅頼が薨去したため喪に服し、10月9日に復任。
建久4年（1193年）12月9日、従三位に昇叙。
建久5年（1194年）1月30日、周防権守を兼任。
建久9年（1198年）8月21日、大嘗会の検校に任命。11月9日には備中権守を兼任、同月21日には正三位に昇叙。
建仁2年（1202年）7月23日、権中納言に任官。
建仁3年（1203年）4月25日、権中納言を辞任。
承元2年（1208年）3月17日、薨去。

系譜

父：源雅頼（1127-1190）
母：藤原家成の娘
妻：持明院基家の娘
妻：藤原定能の娘
生母不明の子女：
男子：源雅具（1184-?）
男子：源師憲
* 男子：源頼方

源俊定との関係

『公卿補任』には「養父俊定」との記載がありますが、一方で実父雅頼の推挙によって右少将に任ぜられたり、実父雅頼の薨去によって喪に服している事実もあります。この点については、さらなる詳細な研究が必要とされます。

これらの記録から、源兼忠は平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて、様々な官職を歴任し、最終的には権中納言にまで昇りつめた人物であることがわかります。彼の家系は、室町時代まで公卿として続いたことからも、当時の社会において重要な役割を果たしていたと考えられます。

もう一度検索