源資通

源資通（みなもと の すけみち）

源資通は、平安時代中期に活躍した公卿で、宇多源氏の流れを汲み、播磨守・源済政の長男として生まれました。最終的な官位は従二位・参議にまで上り詰めました。

経歴

後一条天皇の時代に、資通は大膳亮、六位蔵人、右衛門少尉、式部少丞といった官職を歴任しました。治安2年（1022年）には従五位下・侍従に叙任され、官僚としてのキャリアをスタートさせます。

五位蔵人を務める傍ら、左馬助・左兵衛佐といった武官も兼任し、万寿2年（1025年）には従五位上、万寿4年（1027年）には正五位下へと昇進しました。長元元年（1028年）に左少弁に遷ると、長元3年（1030年）には右中弁、長元4年（1031年）には従四位下に叙せられました。その後も順調に昇進を重ね、長元7年（1034年）に従四位上、長元8年（1035年）に権左中弁、長暦元年（1037年）に正四位下、長暦2年（1038年）には左中弁、そして右大弁と、後一条天皇の後半から後朱雀天皇の時代にかけて弁官を歴任しました。

長久4年（1043年）には蔵人頭（頭弁）に任ぜられ、翌長久5年（1044年）には正四位上・参議に任ぜられ、ついに公卿の仲間入りを果たします。

後冷泉天皇の時代に入ると、寛徳2年（1045年）に左大弁を兼任し、永承元年（1046年）には従三位に叙せられました。永承5年（1050年）には20年以上にわたって務めた弁官を離れ、太宰大弐を兼ねて九州へ下向し、その功績により正三位に昇進します。天喜2年（1054年）まで4年間大弐を務めました。天喜5年（1057年）には従二位に至ります。

康平3年（1060年）8月17日に病のため出家し、同月23日に薨去しました。享年56歳。最終官位は参議従二位勘解由長官でした。

人物

資通は、管弦に秀でており、琵琶の演奏に長けていました。源経信に琵琶を教授したことでも知られています。また、和歌にも造詣が深く、伊勢大輔や菅原孝標女といった歌人たちと交流がありました。勅撰歌人としても認められ、『後拾遺和歌集』以下の勅撰和歌集に4首の歌が採録されています。

官歴

長和5年（1016年） 正月12日：大膳亮
寛仁4年（1020年） 正月9日：六位蔵人
治安元年（1021年） 正月24日：右衛門少尉
治安2年（1022年） 正月27日：式部少丞。4月3日：従五位下。9月23日：侍従
治安3年（1023年） 2月18日：五位蔵人。12月12日：左馬助
治安4年（1024年） 正月：左兵衛佐
万寿2年（1025年） 正月6日：従五位上
万寿3年（1026年） 10月26日：民部少輔
万寿4年（1027年） 正月7日：正五位下
長元元年（1028年） 2月19日：左少弁
長元3年（1030年） 11月5日：右中弁
長元4年（1031年） 2月17日：和泉守。11月16日：従四位下
長元7年（1034年） 正月5日：従四位上
長元8年（1035年） 10月16日：権左中弁
長元9年（1036年） 2月27日：兼右京大夫。10月14日：兼摂津守
長暦元年（1037年） 11月：正四位下
長暦2年（1038年） 6月26日：左中弁。12月16日：右大弁
長久4年（1043年） 9月19日：蔵人頭
長久5年（1044年） 正月7日：正四位上。正月30日：兼近江権守。12月14日：参議
寛徳2年（1045年） 10月23日：左大弁
永承元年（1046年） 11月13日：従三位
永承4年（1049年） 2月5日：兼播磨権守
永承5年（1050年） 9月17日：兼太宰大弐。11月11日：正三位
天喜2年（1054年） 11月28日：去太宰大弐
天喜4年（1056年） 2月3日：兼美作権守
天喜5年（1057年） 正月5日：従二位
天喜6年（1058年） 正月30日：兼兵部卿。11月8日：兼勘解由長官
康平3年（1060年） 8月17日：出家。8月23日：薨去

系譜

父：源済政
母：源頼光の娘
妻：源頼光の娘
長男：源師賢（1035-1081）
男子：源政長（1038-1097）
妻：藤原憲房の娘
男子：源成仲
生母不明の子女
男子：源師俊
男子：源為忠
女子：源経成室

脚注

参考文献

『公卿補任 第一篇』吉川弘文館、1982年
* 『尊卑分脈 第三篇』吉川弘文館、1987年

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