源頼家 (摂津源氏)

源頼家（みなもとのよりいえ）は、平安時代中期に活躍した官人、そして歌人です。武将・源頼光の次男として生まれました。後に叔父にあたる源頼範の養子になったとされています。『尊卑分脈』によれば、官位は従四位下、蔵人、筑前守であったと記されています。

経歴

長元8年（1035年）に蔵人に任ぜられ、兄である源頼国と同様に、藤原頼通に近侍しました。受領も歴任しています。特に歌人としての活動が知られており、甥である源頼実とともに、中級貴族の歌人集団「和歌六人党」の一人に数えられました。長暦2年（1038年）の『源大納言家歌合』や、『橘義清歌合』『関白殿蔵人所歌合』『左京大夫八条山荘障子絵合』など、多くの歌合に出詠しています。また、越中守在任時には、自身で『頼家名所合』を催しました。延久4年（1072年）以前には筑前守を務めていたことが記録に残っています（『鎌倉遺文』157）。

陸奥守在任時の橘為仲から、かつての和歌六人党で存命なのは自身と頼家のみになったという内容の歌が贈られた際、為仲は六人党の一員ではないと言って憤慨したという逸話が、『袋草紙』『続古事談』『十訓抄』に記されています。

彼の詠んだ歌は、『後拾遺和歌集』以下の勅撰和歌集に9首が収録されています。

系譜

父：源頼光
母：平惟仲女
妻：不明
生母不明
男子：源家盛 - 勾当
男子：源満綱 - 従四位下、伊豆守
男子：源満家 - 文章生
男子：源家通 - 従五位下、駿河守
男子：源家基 - 肥後介

出典

久保田淳・平田喜信校注 『後拾遺和歌集』 （岩波書店、1994年）
浅見和彦校注 『十訓抄』新編日本古典文学全集51（小学館、1997年）
川端善明・荒木浩校注 『古事談 続古事談』新日本古典文学大系41 （岩波書店、2005年)

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