澤村宗之助 (2代目)

二代目澤村宗之助：歌舞伎から映画、テレビ時代劇まで活躍した名優

二代目澤村宗之助（1918年7月1日-1978年11月3日）は、歌舞伎役者としてだけでなく、映画やテレビドラマでも活躍した著名な俳優です。本名は伊藤恵之助、旧芸名は澤村恵之助。東京府東京市浅草区（現在の東京都台東区浅草）で、初代澤村宗之助の長男として生まれました。弟には俳優の伊藤雄之助と初代澤村昌之助がいます。

1922年、帝国劇場で初舞台を踏み、1924年には二代目を襲名。その後、1932年には澤村兄弟プロを設立するなど、精力的に活動しました。1934年には弟たちと共に東宝劇団に参加し、1954年に東宝と契約して映画俳優としてのキャリアをスタートさせます。

映画界では、数々の作品に出演し、個性豊かな演技で観客を魅了しました。東宝映画の名作『ゴジラの逆襲』への出演も記憶に新しいところです。東宝作品以外にも、東映京都、宝塚映画、大映京都など、様々な製作会社作品に出演。時代劇から現代劇まで幅広く活躍しました。

代表的な映画作品としては、『晩菊』（1954年）、『透明人間』（1954年）、『夫婦善哉』（1955年）、『ゴジラの逆襲』（1955年）、『与太者と若旦那』（1956年）、『五十年目の浮気』（1956年）、『阿波おどり 鳴門の海賊』（1957年）、『一心太助』シリーズ、『江戸っ子判官とふり袖小僧』（1959年）、『富士に立つ若武者』（1961年）、『赤穂浪士』（1961年）、『旗本退屈男 謎の珊瑚屋敷』（1962年）、『座頭市』シリーズ、『宮本武蔵 一乗寺の決斗』（1964年）、『無宿者』（1964年）、『銭形平次』（1967年）、『続やくざ坊主』（1968年）などがあります。これら以外にも多くの作品に出演し、日本の映画史に名を刻んでいます。

テレビドラマにおいても、その存在感を示しました。『三匹の侍』、『素浪人 月影兵庫』、『銭形平次』、『特別機動捜査隊』、『てなもんや三度笠』、『五人の野武士』、『日本任侠伝』、『女殺し屋 花笠お竜』、『水戸黄門』、『五番目の刑事』、『人形佐七捕物帳』、『遠山の金さん捕物帳』、『おらんだ左近事件帖』、『必殺シリーズ』、『大江戸捜査網』、『新十郎捕物帖・快刀乱麻』、『伝七捕物帳』、『江戸を斬るII』など、数多くの作品に出演。時代劇を中心に、様々な役柄を演じ分けました。

1978年11月3日、尿崩症のため、兵庫県尼崎市の兵庫県立塚口病院で60歳で亡くなりました。

澤村宗之助は、歌舞伎、映画、テレビドラマと、それぞれの分野で活躍した稀有な俳優でした。その演技力は高く評価され、多くの作品に彩りを添えました。彼の功績は、日本の演劇史、映画史、そしてテレビドラマ史に刻み込まれ、後世に語り継がれることでしょう。

参考文献

『東宝特撮映画全史』監修 田中友幸、東宝出版事業室、1983年12月10日
『ENCYCLOPEDIA OF GODZILLA ゴジラ大百科 [メカゴジラ編]』監修 田中友幸、責任編集 川北紘一、Gakken〈Gakken MOOK〉、1993年12月10日

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