点状出血

点状出血 (てんじょうしゅっけつ) - Petechia

定義

点状出血とは、皮膚や粘膜の表面に現れる、直径1〜2ミリメートル程度の小さな赤色または紫色の斑点です。これは、ごく細い血管である毛細血管が破れて、血液が周囲の組織に漏れ出すこと（微小出血）によって生じます。指で押しても色が消えないのが特徴です。

原因

点状出血の原因は複数ありますが、大きく二つのタイプに分けられます。

1. 物理的な力によるもの

咳、嘔吐、泣きすぎ、重い物の持ち上げなど、体に強い圧力がかかることによって一時的に生じることがあります。この場合、顔面や首筋、特に目の周囲に出現しやすく、通常は数日で自然に消失します。衣類やアクセサリーによる締め付け、局所的な強い圧迫などでも起こり得ます。これらは多くの場合、医学的な問題とは直結しません。

2. 血液や血管の異常に関連するもの

点状出血は、血液の凝固機能や血管の健康状態に問題があることを示すサインである場合があります。これは、何らかの基礎疾患や病態が隠れている可能性を示唆します。

主な原因として、以下のようなものがあります。

血小板の異常: 血液を固めるために重要な役割を担う血小板の数が減少している状態（血小板減少症）や、機能が低下している場合に起こりやすくなります。血小板減少症は、特定の感染症、薬剤の副作用、自己免疫疾患、骨髄の病気などが原因で発生することがあります。
凝固因子の欠乏: 血液を固めるのに必要なタンパク質である凝固因子が不足している場合（先天性または後天性）にも、出血傾向が高まり点状出血や紫斑が見られます。
血管の脆弱性や炎症: 血管壁がもろくなっている、あるいは血管に炎症が起こっている場合（血管炎など）も、出血しやすくなります。加齢や栄養不足（ビタミンC欠乏など）も血管の脆弱化に関与することがあります。
特定の疾患: 敗血症、特定のウイルス性出血熱、リケッチア感染症、特定の細菌感染症など、血管や血液凝固系に影響を与える重症感染症の症状として現れることがあります。また、白血病やアレルギー性紫斑病など、その他の疾患に関連して出現することもあります。

医療機関への受診

咳や嘔吐の後に顔面に一時的に現れた点状出血で、すぐに消えるようなものは、一般的に心配不要です。しかし、原因が不明で体の広範囲に広がっている場合、あるいは発熱や全身の倦怠感などを伴う場合は、潜在的な疾患の可能性が考えられます。このような場合は、速やかに医療機関を受診し、医師による診断を受けることが重要です。血液検査などが行われることがあります。

関連項目

点状出血が症状として現れる可能性のある疾患や状態の一部を以下に示します。

低カルシウム血症
ボリビア出血熱
ボタン熱
脳マラリア
先天性梅毒
クリミアコンゴ出血熱
デング熱
Dukes' disease
エボラ出血熱
ハンタウイルス肺症候群
腎症候性出血熱
心内膜炎
胎児赤芽球症
刮痧
アレルギー性紫斑病
特発性血小板減少性紫斑病
白血病
猩紅熱
* ロッキー山紅斑熱

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