無所属団

無所属団について

無所属団（むしょぞくだん、旧字体：無所󠄁屬團）とは、大日本帝国憲法下に存在した貴族院の会派である。その正式名称は「無所属」とされるが、貴族院議員のほとんどが無所属であり、純粋にどの会派にも属していない議員との明確な区別が困難なため、一般的にはこの名称で呼ばれることが多い。無所属団には明治から大正前期、および大正後期から昭和にかけて、異なる歴史的背景を持つ2つの会派が存在したため、それぞれを「第一次無所属」と「第二次無所属」と呼んで区別する。

第一次無所属

第一次無所属は1898年頃に設立され、1919年11月25日まで存続した。正式な会派として認められたのは1911年3月20日であった。当初、第一次無所属の設立は、当時の日本初の政党内閣である第1次大隈内閣の成立に対する危機感から起こった。高橋新吉や坊城俊章、有地品之允らの少数の純無所属議員が、当時の政党内閣に反対し、超然主義を擁護するためにこの会派を結成したのがその起源である。しかし、当初はメンバーが少なく、院内交渉会派として成立するには至らず、同類の考えを持つ茶話会とともに活動することが多かった。このため、両者をまとめて「幸倶楽部派」と呼ぶこともあった。

1910年の木曜会の内紛を契機に、清交会を形成したグループが会派を維持できず解散。これに伴い、一部の議員が「無所属」に再加入し、会派としての位置を得た。その後、1919年には男爵議員による統一会派結成運動が起こり、「無所属」の男爵議員もこれに加わって公正会を設立。これにより「無所属」は議員数を大幅に減らし、存続の危機に直面した。最終的に、土曜会との合併を図り、同年11月15日に同成会として新たに再編成された。

第二次無所属

第二次無所属は1921年12月16日に設立され、1928年2月1日まで活動を続けた。最大会派研究会に所属していた岡田良平ら10名が原内閣との連携に反発し、研究会を離脱。その後、一部の純無所属議員と合流し、25名の会派として発足した。これもまた、茶話会とともに行動することが多かった。何度かの名前の変遷を経て、「無所属」を加えた「幸四派」あるいは「幸無三派」と呼ばれることもあった。

しかし、1927年には研究会を離脱した近衛文麿が他の侯爵議員と共に火曜会の会派化を計画する。しかし、近衛は公爵・侯爵以外の議員の参加を拒絶したため、「無所属」に属していた伯爵以下の議員たちは行き場を失い、困難な状況に陥った。茶話会も研究会の圧力により議席を減らしていたため、合併を提案し、1928年2月1日に両会派は合併し新会派である同和会が設立された。

まとめ

無所属団はその名の通り、特定の政党に属さない議員たちの集まりであり、時代の変化の中でさまざまな経緯をたどった。彼らの活動は、当時の日本の政治状況を反映しており、単なる政治的立場を超えた広範な人々の関与があったことがわかる。

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