特ダネ記者

1966年4月23日から1967年10月7日にかけて、日本テレビ系列で放送されたテレビドラマ『特ダネ記者』（とくダネきしゃ）は、全50話で構成された事件記者ドラマです。毎週土曜日の20時00分から20時56分まで、モノクロで放送されました。

このドラマの主な舞台は、架空の新聞社「毎朝新聞」の社会部です。ここに所属する記者たちが、連日発生する様々な事件を追いかけ、真実を報道するために奔走する姿が描かれます。彼らはライバル紙の記者たちと熾烈なスクープ合戦を繰り広げる一方で、困難な状況下では部署の仲間と固い絆で結ばれ、チームとして事件解決や報道に協力します。単なる仕事の描写にとどまらず、報道の現場で働く人々の情熱や葛藤、そして人間的な繋がりが深く掘り下げられている点が特徴です。

物語の途中で主要キャストの一部入れ替えが行われました。第14話（1966年10月15日放送）からは、それまでのキャストに加えて、新たに宍戸錠が出演を開始し、主演の二谷英明と並ぶ存在感を示しました。この変更により、ドラマに新たな展開とキャラクターの魅力が加わりました。

主な登場人物

西川武夫：二谷英明が演じる毎朝新聞社会部のデスク。仕事に対する要求は非常に高く、部下を厳しく叱責することもありますが、その一方で非常に人情深く、部下思いの一面も持ち合わせています。彼の「人間の価値は仕事でしか認めない」という信念は、ドラマの核となるテーマの一つです。
長島京平：新克利が演じる社会部で最も若い記者。入社4年目で主に警察を担当しており、明るく前向きな性格と旺盛なジャーナリスト精神で取材に挑みます。
谷口正雄：石濱朗（第1話〜第13話）が演じた、警視庁記者クラブ詰めの社会部記者。長島とは同期入社で、互いを強く意識し合い、常に競争関係にあります。
吉田虎二：高原駿雄が演じるベテラン記者。長年の経験に裏打ちされた知識と、苦労人ならではの人情味を持ち合わせており、若手記者たちの良き相談相手となります。
由木百合子：山本陽子（第1話〜第13話）が演じた、記者として入社した女性。しかし実際には雑務が多く、本来の記者としての仕事ができないことに不満を感じています。
関根三郎：波多野憲が演じるライバル紙「東邦タイムス」の記者。取材現場では長島とスクープを争う宿命のライバルですが、仕事場を離れれば互いを認め合う良き友人として交流します。
宍戸錠：第14話から登場した毎朝新聞記者。海外での取材経験を持ち、一見すると派手な服装で気取った「チョイ悪」風の雰囲気を漂わせますが、物事の本質を見抜く鋭い思考力と回転の速い頭脳を持ち合わせる実力派です。
「おたか」のママ：安藤孝子（第14話から）が演じる、記者たちの憩いの場である小料理屋「おたか」の女将。記者たちの仕事ぶりを理解し、温かく見守ります。
その他にも、小高雄二、長沢純、ロミ・山田（初期）、木の実ナナ（初期）、西尾三枝子（初期）、高城淳一（第5話から）、笈田勝弘（第14話から）、睦五郎（第14話から）、梅津栄（第14話から）、三遊亭金遊（第14話から）、瞳美沙（第14話から）、高品格（第14話から）など、多くの俳優が出演し、ドラマに深みを与えました。ゲストとして立川談志も出演しています。

放送期間中、特に1966年4月から9月、そして1967年5月から9月にかけては、プロ野球ナイター中継が編成された影響で、定時放送ではなくイレギュラーな時間帯や休止となる回がありました。

スタッフ

本作は日活テレビ部と日本テレビの共同制作により生まれました。:
プロデューサー：山口純一郎（日活）、安藤勇二（日本テレビ）
脚本：宮田達男、西田一夫、満井宏、北泉優子、渡辺臣蔵、津田幸夫、有本靖彦、阿部桂一、藤村正太、大津皓一、北村浩、大工原正泰、山口純一郎、牧野和夫、召田長
監督：中平康、山崎徳次郎、鍛冶昇、遠藤三郎、古川卓巳、柳瀬観、小杉勇、春原政久、堀池清、中島義次、藤浦敦

個性豊かな登場人物たちが織りなす人間ドラマと、緊迫感あふれる報道現場の描写が魅力の作品でした。

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