特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則

特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則について

特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則（昭和56年郵政省令第37号）は、電波法に基づき、特定無線設備が電波法令の技術基準に適合していることを証明する制度について定めた総務省令です。この規則は、無線機器の技術基準適合性を確保し、電波利用の円滑化を図ることを目的としています。

規則の構成

この規則は、以下の章で構成されています。

第1章：総則
第2章：登録証明機関（技術基準適合証明、工事設計認証）
第3章：承認証明機関（技術基準適合証明、工事設計認証）
第4章：特別特定無線設備の技術基準適合自己確認
第5章：雑則
附則

概要

この規則は、電波法第38条の2の2に規定される特定無線設備、特に小規模な無線局で使用される無線設備について、技術基準への適合性を認証する制度を定めています。この制度は、以前は電波研究所（現在の情報通信研究機構）が行っていた型式検定業務の一部を民間に開放したものです。制定当初は航空用携帯無線機や自動車電話端末など6種別が対象でしたが、その後、携帯電話端末、PHS端末、コードレス電話、特定小電力トランシーバーなど、対象となる無線設備の種別は大きく拡大しています。

類似の制度として、電気通信事業法における端末機器の技術基準適合認定があり、これは端末機器の技術基準適合認定等に関する規則によって定められています。

認証方法と実施機関

特定無線設備の認証は、以下の3つの方法で行われます。

1. 技術基準適合証明：無線設備が技術基準に適合していることを証明する。
2. 工事設計認証：無線設備の工事設計が技術基準に適合していることを証明する。
3. 技術基準適合自己確認：特別特定無線設備（携帯電話端末、PHS端末、コードレス電話、無線LAN機能付き機器、無線アクセス端末）について、製造業者などが自ら技術基準への適合性を確認する。

技術基準適合証明と工事設計認証は、国内の登録証明機関または外国の承認証明機関によって実施されます。これらの機関は、電波法に基づき総務大臣が登録または承認します。

区分

特定無線設備は、電波法第38条の2の2の区分に基づき、種別ごとに以下のいずれかに区分されます。証明機関は、区分ごとに登録されます。具体的な区分は、電波法に定められています。

表示

技術基準適合証明を受けた無線設備には、技適マークが表示されます。技適マークは、規則様式第7号または第14号に従い、認証の種類を示す記号と番号が併記されます。以前は機器本体に直接印刷またはラベルで表示されていましたが、2010年からはディスプレイ表示も可能になりました。

電波法第4条第2号では、この表示が付された無線設備を「適合表示無線設備」と定義しています。ただし、総務大臣が技術基準に適合しないと判断し、他の無線局の運用に妨害が生じる可能性があると公示した場合は、この限りではありません。

沿革

この規則は、制定以来、制度改正に伴い名称や内容が変更されてきました。

1981年（昭和56年）：特定無線設備の技術基準適合証明に関する規則として制定。当初は郵政大臣が指定した証明機関が認証を行っていました。
1982年（昭和57年）：市民ラジオが対象に追加され、表示方法も変更されました。
1987年（昭和62年）：コードレス電話が対象となり、表示が統一されました。
1991年（平成3年）：一部のアマチュア無線設備が対象となりました。
1995年（平成7年）：表示が技適マークに変更されました。
1999年（平成11年）：工事設計認証と承認証明機関の制度が追加されました。
2001年（平成13年）：特定無線設備が種別ごとに区分されるようになりました。
2004年（平成16年）：現在の名称である「特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則」に改称され、証明機関が指定制から登録制となり、技術基準適合自己確認制度が導入されました。
2010年（平成22年）：ディスプレイへの技適マーク表示が可能となりました。
2011年（平成23年）：工事設計認証番号が複数の工事設計を単一の番号で表せるようになりました。
2013年（平成25年）:工事設計認証番号はすべて、複数の工事設計を単一の番号で表すことができ、無線設備の種別は表示されなくなりました。

脚注

この規則は、電波法の改正や技術の進歩に合わせて、常に変化を続けています。

関連項目

技術基準適合証明
技適マーク
登録修理業者規則

外部リンク

特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則 - 総務省電波利用ホームページ
無線局機器に関する基準認証制度 - 総務省電波利用ホームページ
* テレコムエンジニアリングセンター

この規則は、無線設備の適正な利用を確保するために重要な役割を果たしています。無線設備を使用する際には、技適マークの表示を確認し、ルールを守って利用するようにしましょう。

もう一度検索