王司 (下関市)

王司地域の概要

山口県下関市の王司地区は、同市の東方に位置し、中心市街地から北東へおよそ12キロメートルの距離にあります。ここは、海側の地域である宇部と内陸部の員光から構成されるエリアです。2009年時点での登録人口は7,443人であり、2007年時点では14.66平方キロメートルの面積を抱えています。周防灘に面し、北側には神田川を挟んで清末地区、南側には長府地区、西側には勝山地区があります。

かつては広大な農地が広がっていたこの地域も、国道491号線（旧国道2号線）沿いを中心に宅地化や商業施設の開発が進んでおり、特にゆめタウン長府周辺では多くの商業施設が立地しています。また、地域内には国道2号線（小月バイパス）、国道491号線、主要地方道の県道33号が通っており、県道33号は勝山や安岡方面への便利な抜け道となっています。さらに、JR山陽本線が地域内に通過していますが、駅は設置されていないため、長府駅または小月駅を利用する必要があります。

地名の由来と歴史

王司という地名は、地区南西部にそびえる四王司山（標高392メートル）に由来します。この山には、神功皇后が三韓征伐の際、四天王を勧進したという伝説や、9世紀に清和天皇が五国に毘沙門天像を分けた際の1体が安置された場所としての歴史があります。四王司山への主な登山ルートは、長府の松小田と勝山の勝山御殿跡からの2つが知られています。

江戸時代には、海岸側に長府藩の塩田が存在し、町村制度の導入により1889年には神田村、山田村、員光村、宇部村、才川村、松小田村が統合されて豊浦郡豊東前村が設立され、1898年には王司村に改名されました。その後、1939年には王司村が下関市へと改編されることで、村としては廃止されました。

主な施設や名所

王司地区には、いくつかの名所や施設が存在します。特に目立つのは長門毘沙門天王堂で、四王司山の山頂や山麓（員光）に位置し、毎年1月には初寅祭が行われます。また、歴史的人物を記念した永富独嘯庵先生顕彰碑もあります。

さらに、乃木浜総合公園は芝生広場や野鳥観察所、およびサッカー場があり、地域住民にとって重要なレクリエーションの場となっています。他にも、宇部八幡宮や山口県立西部高等産業技術学校（職業訓練校）などがあります。交通の便も良く、中国自動車道の王司パーキングエリアが利用できるため、訪問者にとってもアクセスが容易です。

このように、王司地区は豊かな自然や文化的な遺産、地域の歴史などが詰まった魅力的な場所です。地元の発展と共に変わってきた歴史を背景に、今なお地域の重要な役割を担っています。

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