玖珠盆地

玖珠盆地

玖珠盆地は、大分県玖珠郡の玖珠町と九重町西部に位置する、玖珠川沿いの盆地です。大分県の中西部に位置し、山々に囲まれた盆地で、筑後川の上流にあたる玖珠川が東から西へと流れています。盆地の周囲は、南に万年山や伐株山、北には青野山、大岩扇山、小岩扇山、鏡山といったメサ（テーブル状の台地）が連なっています。さらに、盆地の外側では、北に耶馬渓、南に九重連山、東には日出生台といった地域と接しています。

盆地の標高は約400メートル前後で、寒暖の差が激しいのが特徴です。特に、秋から冬にかけて発生する朝霧は、盆地の名物として知られています。この朝霧は、盆地特有の気候条件によって生み出される幻想的な風景で、多くの人々を魅了しています。

伝承

『豊後国風土記』には、玖珠盆地の地形に関する興味深い伝承が記されています。それによると、昔、この盆地には巨大な楠が生えており、その日陰によって作物が育たなかったそうです。困った村人たちが大男に頼み、楠を切り倒してもらったところ、ようやく日が当たるようになり、作物が実るようになったと言われています。この時、切り倒された楠の切り株が伐株山となり、楠が倒れた際に跳ね上がった土が積もって万年山になったと伝えられています。

地形形成

実際の地形形成は、伝承とは異なり、地質学的な要因によって説明されます。盆地の周囲に連なるメサは、更新世中期から後期にかけて噴出した溶岩が侵食されてできたと考えられています。また、この盆地の成因をカルデラとする説も存在します。これらの説は、盆地の複雑な地形が、長い年月をかけて形成されたことを示唆しています。

玖珠盆地は、その特異な地形と歴史、そして美しい自然景観が調和した、魅力的な場所です。

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