伐株山

伐株山（きりかぶさん）

概要

伐株山は、大分県玖珠郡玖珠町に位置する標高685.5mの山です。耶馬日田英彦山国定公園内にあり、玖珠盆地を見渡せる絶景スポットとして知られています。特徴的な山頂の形状は、メサ（卓状台地）と呼ばれる平坦な地形であり、その外観が巨木の切り株に似ていることから「伐株山」と名付けられました。

地理

伐株山は、玖珠盆地を囲む山々の一つで、盆地のほぼ中央に位置します。玖珠盆地は、伐株山、大岩扇山、小岩扇山、宝山など、独特な形状の山々に囲まれており、その景観は特異です。

地形

伐株山の山体は、南から北へ緩やかに傾斜しており、杓子のような形をしています。山頂部は平坦なメサ地形であり、浸食が進んで頂部が狭まったビュートと呼ばれる形状でもあります。玖珠地域には、伐株山のようなメサ地形を持つ山が多数存在しますが、これほどメサが集中している地域は全国的に珍しいとされています。伐株山は、二重メサの万年[[山]]とともに、玖珠町のシンボル的な存在となっています。

自然環境

気象

伐株山がある玖珠地域は、内陸盆地型の気候で、気温の変動が激しいのが特徴です。しかし、伐株山の頂上では、盆地底部と比べて最低気温が高く、最高気温が低くなる傾向があります。また、山頂では深夜に気温が急上昇し、同時に湿度が急減する現象がしばしば見られます。これは、上空の暖かい乾燥した空気が、山肌で冷却された湿った空気と入れ替わるためと考えられています。

植生

伐株山では、5月下旬から6月上旬にかけてミヤマキリシマやドウダンツツジが咲き誇り、登山者の目を楽しませます。

歴史

史跡

伐株山の周辺には、弥生時代から古墳時代の遺跡が多数発見されており、特に西側の小田地区や東側の大隈地区には多くの遺跡が集中しています。北西側には、将軍塚、彦塚、姫塚と呼ばれる円墳や、その他の古墳が点在する丘陵が伸びています。また、山頂には南北朝時代に南朝方の拠点となった玖珠城（伐株山城）の土塀跡が残っています。

顕彰

伐株山は、かつて「大分百[[山]]」に選定されていましたが、2020年に発行された『新大分百[[山]]』では除外されました。しかし、2006年には大分合同新聞によって「おおいた遺産」に選ばれ、2017年には日本遺産「やばけい遊覧〜大地に描いた山水絵巻の道をゆく」の構成文化財の一つに認定されました。

伝説・伝承

玖珠の地名の由来

伐株山は、かつて巨大なクスノキの切り株であったという伝説があり、これが玖珠郡の地名の由来になったとされています。『豊後国風土記』にも、かつてこの地に大きなクスノキがあったことが記されています。山の形状が、切り株に似ていることも、この伝説を裏付けていると考えられています。

その他の伝説

『豊後傳説集 全』には、伐株山に関する様々な伝説が記されています。

観光

伐株山の平坦な山頂は、ハンググライダーやパラグライダーの基地として利用されています。2016年には、山頂に無料休憩施設「KIRIKABU HOUSE（キリカブハウス）展望休憩室」がオープンし、飲食スペースからは旧豊後森機関庫やJR久大本線、玖珠町中心部を一望できます。

西玖珠テレビ中継局

玖珠町と九重町の一部地域では、玖珠テレビ中継局の電波が届きにくい場所があり、その対策として西玖珠テレビ中継局が設置されています。2008年から地上デジタル放送が開始されています。

交通アクセス

大分自動車道玖珠インターチェンジから車で約20分。

外部リンク

伐株山・万年[[山]]・大岩扇・小岩扇 - 玖珠町観光協会
伐株山（きりかぶさん） - 大分県観光情報公式サイト

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