甘露寺篤長

甘露寺篤長について

甘露寺篤長（かんろじ あつなが）は、江戸時代後期に活躍した公卿で、彼の生涯は1749年5月3日に始まり、1812年2月29日に帰結しました。彼は、その豊富な官歴を通して日本の政治に影響を与えました。

若き日の歩み

彼は寛延2年、生まれつき特別な家系に生まれました。父親は甘露寺規長であり、母親は黒田長貞の娘という華やかな血筋を引いています。このため彼は早くから貴族社会において重要な役割を果たす運命にありました。彼は1764年に従五位上の位に叙され、同年には侍従に任命されます。このスタートが後の彼の地位向上に繋がることになります。

官歴の流れ

甘露寺篤長は、その後も着実に昇進を続け、明和期には正五位下、右少弁などの地位を経て、安永期には複数の重要な役職を兼任しました。特に、安永元年には左衛門権佐、造興福寺長官、御祈奉行、左少弁といった役職を持ち、各種の行事に携わることで、当時の公家社会での存在感を強めました。

また、安永7年には最大の出世の一つとして正四位下に昇進し、さらに翌年には正四位上となります。このような昇進は彼の政治的な影響力が増すことを示し、その後の天明期には左大弁、参議として幕府の重要な政策に参与しました。

後期のキャリア

天明2年には従三位に叙せられ、1785年には正三位となり、権中納言に任命されます。さらに、1788年には従二位に昇進し、寛政期に入ると支配者層としての役割を一層強固にしていきます。1791年には権大納言に任じられ、最終的に文化9年には従一位に達します。この段階での彼の地位は、当時の権力の中心に近づくことを示唆しています。

家族関係

彼は子供として甘露寺国長を持ち、自身の家系を後世に伝える役割も果たしました。甘露寺篤長という名前は、彼がその後の公卿の中でどれほど重要であったかを物語っています。

彼の生涯を通して得た地位や名声は、江戸幕府の政権におけるその影響力を強調し、未来の歴史や政治に影響を与え続けています。彼の活動や政策についての研究は、江戸時代の社会情勢を知る上で重要な資料となっています。彼の詳細な官歴は、坂本武雄の『公卿辞典』や黒板勝美の『公卿補任』などで閲覧可能であり、より深くその全貌を探ることができます。

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