田嶋翔

田嶋翔は、2000年にJRA騎手として華々しいデビューを飾った人物です。美浦トレーニングセンターの大江原哲厩舎に所属し、同期には梶晃啓氏や西原玲奈氏らがいました。デビュー戦は中山競馬場で行われ、2着という結果に終わりましたが、その後まもなく初勝利を手にします。デビューイヤーは5勝を挙げ、障害競走にも挑戦するなど、幅広い活躍を見せました。

私生活では、小島貞博元調教師の次女と結婚。2004年には中山グランドジャンプでGI競走に初騎乗を果たすなど、順風満帆なキャリアを歩みます。同年、娘の誕生という人生の大きな出来事も経験しました。

2005年には、桜花賞で平地GI競走およびクラシック競走に初騎乗。テイエムチュラサンとのコンビで、アイビスサマーダッシュを制覇し、重賞競走初勝利を挙げます。これは田嶋氏の騎手としてのキャリアにおける唯一の重賞制覇となりました。

2006年には、美浦トレーニングセンターから栗東トレーニングセンターへ拠点を移し、義父である小島氏の厩舎に所属します。以降は、義父の厩舎所属馬への騎乗が中心となり、特に2006年は小島厩舎の競走馬のほとんどに騎乗していました。これは、血縁関係に加え、「自厩舎の馬には自厩舎の騎手」という小島氏のポリシー、そして小島氏の師匠である戸山為夫氏の方針に基づくものでした。さらに、小島氏と親交の深い佐山優厩舎からの依頼も数多く受けていました。

しかし、晩年は騎乗機会が減少。ほとんどの騎乗馬が小島厩舎の所属馬となっていた矢先、2012年1月24日、後ろ盾であった小島氏が急逝するという悲劇に見舞われます。小島厩舎の所属馬は湯窪幸雄氏（小島氏の義兄）の厩舎へ転厩しましたが、田嶋氏への騎乗依頼は皆無となり、2012年4月20日付で騎手を引退することになりました。

騎手引退後は、作田誠二厩舎の調教助手として第二のキャリアをスタートさせます。その後、2020年2月に作田厩舎が解散した後は、吉岡辰弥厩舎へと移籍。吉岡厩舎で重賞初制覇を達成したスマッシャーや、宝塚記念でGⅠ初制覇を飾ったブローザホーンといった活躍馬を担当するなど、調教助手としても卓越した手腕を発揮し、競馬界に貢献し続けています。

田嶋氏の騎手としての通算勝利数は100勝。主な騎乗馬には、ガルフィンドリーム、テイエムチュラサン、ヒシカツリーダーなどが挙げられます。数々の競走で活躍し、重賞勝利も経験した田嶋翔氏は、騎手として、そして調教助手として、競馬界に大きな足跡を残した人物と言えるでしょう。

もう一度検索