田端信号場駅

田端信号場駅（たばたしんごうじょうえき）は、東京都北区東田端二丁目にある、日本貨物鉄道（JR貨物）の駅です。東北本線に所属し、かつては同線と貨物支線である北王子線の分岐駅でもありました。営業キロ設定上は、東日本旅客鉄道（JR東日本）の田端駅と同一地点とみなされています。常磐線貨物支線（三河島駅方面）や山手貨物線からも進入が可能です。

歴史

1896年（明治29年）：田端駅が開業。
1917年（大正6年）：田端駅貨物操車場にハンプが設置されます。
1961年（昭和36年）2月17日：田端駅の貨物設備を分離する形で、田端操駅（たばたそうえき）が開業しました。営業範囲は「貨物（ただし、活魚と一塩のものを含む鮮魚の到着貨物は取り扱わない）」とされ、操車場も田端操駅に移管されました。
1974年（昭和49年）10月1日：小荷物の取扱を開始し、一般駅となります。
1975年（昭和50年）1月31日：秋葉原駅 - 田端操駅間の貨物運輸営業が廃止されます。
1978年（昭和53年）10月2日：小荷物の取扱を廃止し、貨物駅に戻ります。
1984年（昭和59年）2月1日：コンテナ貨物の取扱を廃止し、営業範囲を「車扱貨物（活鮮魚（一塩のものを含む。）の到着を除く。）」へ改正します。
1986年（昭和61年）11月1日：車扱貨物の取扱も廃止され、田端操駅は田端操車場に降格となります。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化により、JR貨物の駅となります。同時に北王子線の起点駅となります。
1989年（平成元年）6月22日：車扱貨物の取扱を再開し、田端操駅として臨時駅に昇格します。
1990年（平成2年）3月10日：コンテナ貨物の取扱を再開。
1990年（平成2年）4月1日：臨時でない貨物駅に格上げされます。
1996年（平成8年）3月16日：コンテナ貨物の取扱を廃止。
2001年（平成13年）4月：コンテナ貨物の取扱を再々開します。
2007年（平成19年）3月18日：コンテナ貨物、臨時を除く車扱貨物の取扱を廃止します。
2011年（平成23年）3月12日：田端信号場駅に改称されました。
2014年（平成26年）
3月14日：日本製紙の専用線貨物取扱終了に伴い、北王子線の運輸営業が終了します。
7月1日：北王子線が廃止されます。

駅概要

田端駅付近の6本の着発線と、上中里駅付近から王子駅付近にかけて伸びる1本の着発線（山手着発線）を通路線が結ぶ形で、約2kmに及ぶ長い構内を持つ地上駅です。構内には、仕訳線（留置線）と田端運転所南部機留線があり、東北新幹線の車両基地である東京新幹線車両センター（上一運）と隣接しています。また、田端機関区も併設されていますが、こちらはJR貨物の乗務員基地であり、構内があるわけではありません。

上中里駅付近では、大崎駅方面からの山手貨物線と合流し、反対に田端駅付近の構内南端から先に進むと常磐貨物線となり、三河島駅で日暮里駅からの常磐線と合流します。常磐貨物線の起点であり、山手貨物線の終点であるとともに、東北貨物線の事実上の起点となっています。田端信号場駅総合事務所付近の着発1番線にある甲号距離標には、「7k110m東北貨物」「0k000m常磐貨物」と併記されています。北王子線（2014年3月運転終了）は構内北端から分岐していました。

田端信号場駅は、かつて田端操車場や田端操駅と呼ばれ、日本で最も歴史のある貨物操車場の1つとして、鉄道貨物輸送に大きく貢献しました。しかし、鉄道貨物輸送自体の衰退、コンテナ輸送やフレートライナー方式導入などの近代化・合理化、そして武蔵野線や武蔵野操車場開業による都心バイパスルートの確立により、取扱車数が減少しました。さらに、東京まで延伸する東北新幹線の車両基地として、構内用地の大半が転用されたことで、操配設備の規模は大幅に縮小されました。新幹線車両基地が完成したのは1985年で、かつて東海道・東北・中央・常磐各方面への方向別仕訳線だったエリアや、山手貨物線、東北貨物線方面への出発線があったエリアが、収容線や入出区線にあてられました。これは、構内全面積約28万㎡のうち約46%にあたる13万㎡が新幹線基地に転用された大規模な工事でした。

また、現在のJR東日本東京支社ビル付近には、かつて1面のコンテナホームがあり、東北本線（尾久廻り）の高架線東側には、日本運輸倉庫株式会社東京食品事業所の荷役線があり、有蓋車やコンテナを積んだコンテナ車が乗り入れていました。1975年頃までは、主に秋葉原貨物駅との連絡用として、常磐線の日暮里駅とを結ぶ単線の連絡線もあり、三河島駅へ向かう貨物線と合わせてデルタ線を構成していました。

操車場設備

田端信号場駅は、田端操車場（たばたそうしゃじょう）と呼ばれ、1961年からは田端操駅を名乗っていました。日本において初めてハンプヤードを設けた近代的な操車場でした。操車には、ヘムシュー（制動靴）という制動ブロックによる制御が行われていたほか、圧縮空気などを用いて制御するカーリターダが実用化されました。

利用状況

近年の年間発着トン数は、下記の通りです。（データは省略）

駅周辺

JR東日本東京支社ビル
尾久車両センター
東京新幹線車両センター
ホテルメッツ田端（ジェイアールエフ・ホテル）
田端アスカタワー
マルエツ田端店

隣の駅

東日本旅客鉄道（JR東日本）

山手貨物線：池袋駅 - 田端信号場駅
東北貨物線：田端信号場駅 - 赤羽駅
常磐線：田端信号場駅 - 三河島駅

かつて存在した路線

日本貨物鉄道（JR貨物）

東北本線（北王子線）：田端信号場駅 - 北王子駅

脚注

（脚注は省略）

関連項目

日本の[[鉄道駅]]一覧
* 日本の貨車操車場

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