畠山義宣 (江戸幕府高家)

畠山義宣の生涯

概要

畠山義宣（はたけやま よしのぶ）は、江戸時代後期に活躍した高家旗本であり、通称は庸蔵です。彼の居住地は大和国、河内国、摂津国内に及び、所領は3122石余りに達します。義宣は高家旗本・畠山義福の次男として生まれましたが、兄である畠山義一の養子となります。

家督相続と政治的な昇進

文化7年（1810年）11月4日に、義宣は家督を相続しました。その翌年には、11代将軍・徳川家斉に初めて御目見えし、名門に名を連ねることとなります。文化11年（1814年）には高家に任命され、従五位下侍従に叙任され、仕官の道を歩み始めました。その後、文政10年（1827年）には従四位下、天保8年（1837年）には従四位上と、次第に位階を昇進し続けました。

さらに、天保13年（1842年）には高家肝煎に就任し、嘉永2年（1849年）には少将に任官されるなど、その地位は非常に高かったことが伺えます。しかし、人事の世界での出世のみならず、彼の死去後に家督を継いだ子・義勇との関係も重要な要素となります。

妻との関係

義宣の正妻は、上杉治広の四女である祇子でしたが、彼女は後に亡くなります。その婚姻に際して上杉治広の養祖父は、姉たちが大名に嫁いだことを羨ましがらないように彼女に手紙を送ったと言われています。その後、義宣は祇子の妹である増子（上杉治広の五女）と再婚しましたが、彼女も1825年に亡くなっています。

また、義宣の後妻には本多忠顕の娘がいました。さらに、離婚した後室や、京極高備の娘、永井直進の娘といった複数の妻が存在しました。義宣の私生活は多様で、妻たちとの関係性は彼の人生の重要な部分を成していたと言えるでしょう。

系譜

• - 父：畠山義福（1750年 - 1802年）
• - 兄：畠山義一（1775年 - 1810年、養父）
• - 母：不詳
• - 正室：祇子（上杉治広の四女、死別）
• - 後妻：増子（1804年 - 1825年、上杉治広の五女、死別）
• - 後妻：本多忠顕の娘
• - 後室：松平頼説の娘（離婚）
• - 後妻：京極高備の娘
• - 後妻：永井直進の娘

義宣の家族関係は非常に複雑であり、彼の昇進や地位の確立に影響を与えた可能性もあります。江戸時代という特異な時代背景が、義宣の人生には色濃く反映されています。

出典

1. 堀田正敦等 編「巻第九十九」『寛政重修諸家譜』 1964年。
2. 小川恭一編著『寛政譜以降旗本家百科事典』 1998年。

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