癶部

癶部の概要

癶部（はつぶ）は、漢字を部首によって分類する際の一つのグループとして位置づけられています。康熙字典では214部首の中で105番目にあたり、特に5画の漢字として分類されています。これは「癶」という字が、両足を外向きに広げた形状を象徴するためです。元々、この字の正字は「𣥠」とされており、足を表す「止」の変形と見ることができます。

この部首には、足に関連する動作を示す偏旁を使った漢字が集められます。また、字形として音読みを用いる「癸」のような漢字もこの部に含まれています。「癶」の書き方には、特に楷書における筆画が特徴的で、この形状を持った漢字が収められています。

部首の名称

癶部の通称は異なる地域で様々であり、日本では「はつがしら」、中国では「登字頭」、韓国では「필발머리부（ひらく発の冠の部）」、英語圏では「Radical dotted tent」と呼ばれています。これは、特に「発」字の上部分から由来していると考えられています。

部首字

部首として用いる字は「癶」です。これは部首としてだけでなく、漢字の意味や使い方にも関連しています。

音韻の分類

中古音においては、広韻では「北末切、末韻、入声」に分類され、詩韻では「曷韻、入声」に位置づけられます。また、三十六字母では「幫母」とされています。これに対して、現代の音韻においては、普通話ではピンインで「bō」と表記され、注音符号で「ㄅㄛ」と書かれます。広東語では、Jyutpingで「put6」と表記され、イェール式では「put6」となります。日本語では「ハツ」という音で表現され、朝鮮語では「발（bal）」として認識され、「걸을（georeul）」という訓読みも存在します。

例字

癶部に関連する漢字をいくつか挙げると、「癶」、さらに「癸」、「登」、「發（発）」、「𤼲」、「𤼵」などがあります。これらの漢字は、癶部の部首の特性を反映した形で、それぞれの意味や使用場面において重要な役割を果たしています。

このように、癶部は漢字の部首の中でも特異な形状と意味を持ち、足の動作に由来する漢字を収める貴重なカテゴリーです。そのなかにある漢字は、古来からの文化や言語の変遷を物語っており、漢字の学びにおいて重要な要素となっています。

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