白蓮社

白蓮社（びゃくれんしゃ）

白蓮社は、中国の東晋時代に慧遠（えおん）が中心となり、在家の信者たちと共に結成された念仏結社です。この結社は、中国における浄土教の起こりとされています。

成立の経緯

402年（元興元年）、慧遠は廬山（ろざん）の般若台（はんにゃだい）にある阿弥陀像の前で、念仏の実践を志す123名の同志たちと共に誓願を立てました。これが白蓮社の始まりです。

構成メンバー

白蓮社の構成メンバーには、以下のような人々が含まれていました。

僧侶: 仏陀跋陀羅（ぶっだばっだら）、仏陀耶舎（ぶっだやしゃ）、慧永（えよう）、慧持（えじ）、道生（どうしょう）など
居士（在家信者）: 劉程之（りゅうていし）、宗炳（そうへい）、雷次宗（らいじそう）、周続之（しゅうぞくし）など

念仏の実践：般舟三昧

白蓮社で行われた念仏の実践は、支婁迦讖（しるかしん）が翻訳した『般舟三昧経（はんじゅさんまいきょう）』に依拠した般舟三昧でした。

般舟三昧とは、阿弥陀如来を専念することで、阿弥陀如来の姿を観想によって見ることを目指す禅観の修行法です。これは、浄土三部経に基づいて称名念仏（阿弥陀仏の名を称える念仏）を説いた曇鸞（どんらん）、道綽（どうしゃく）、善導（ぜんどう）らの浄土教とは異なる系統の実践でした。

つまり、白蓮社は阿弥陀如来を念ずるという点では浄土教に属しますが、その念仏の実践方法において、称名念仏とは異なる独自の道を歩んだと言えます。

関連項目

蓮社高賢伝
白蓮宗
* 白蓮教

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