盧携

盧携の生涯と業績

盧携（ろ けい）は、生年は不詳で881年に亡くなった唐代の官僚・政治家です。彼は字を子升と言い、本貫は范陽郡涿県に位置していました。盧携は、複雑な時代背景の中で多くの政治的な役職を歴任しながら、波乱の人生を送った人物として知られています。

経歴の始まり

盧携は、盧求の子として誕生しました。彼は盧損の孫でもあり、祖先の名声を背負っていました。大中9年（855年）に進士として試験に合格し、集賢院校理に任命され、以降は節度使の幕府に出向してその業務を補佐しました。

その後、咸通年間には入朝し、右拾遺や殿中侍御史といった役職を経て、員外郎、郎中、長安県令、さらには鄭州刺史に就任しました。更に、宰相への道を進むための経験を積み、諫議大夫として呼び戻されました。

宰相としての役割

乾符2年（875年）には翰林学士としても活動し、中書舎人や戸部侍郎、そして翰林学士承旨を兼任することになります。乾符5年（878年）には、同中書門下平章事（宰相）に就任し、門下侍郎や兵部尚書、弘文館大学士の役割も担うようになりました。

その際、盧携は河南で反乱を起こした王仙芝に対応するため、宋威や斉克譲、曾袞などの将才を推薦し、招討使として任命しましたが、後の反乱の教訓からその進言が厳しい状況を招く元となりました。

政治的対立と失脚

盧携は、黄巣が広州を攻め込んできたときに、その請願を受け入れることに反対の立場を取ったり、南詔との和親策について宰相の鄭畋と意見を対立させたりしました。その際に憤激し、硯を地面に投げつける事態に至り、結果的に宰相の地位を追われます。在任中、自身の考えに基づき様々な政策を進めようとしましたが、政治的な影響力の激しい時代においては厳しい試練が待ち受けていました。

復帰と最期

乾符6年（879年）において、盧携は再び宰相として戻るチャンスを得ます。高駢の活躍により反乱が鎮圧され、盧携は再び政権を掌握することになります。しかし、その後実権を他に譲る形となり、重病に悩まされるようになります。やがて黄巣の反乱により状況が一変し、政権が混乱する中で彼は再び失脚しました。

広明元年12月（881年1月）、黄巣が潼関を陥落させた際に、盧携はついに宰相の地位を剥奪され、太子賓客へ降格されました。人生の終焉を迎える夜、彼は自ら毒薬を口にし、命を絶つことを選びました。黄巣が長安に攻め入ると、盧携の棺は破壊され、遺体は市中に晒されるという悲劇的な結末を迎えます。

子孫と影響

彼の子、盧晏は天祐元年（904年）に河南県尉となりましたが、残念ながら柳璨に殺害される運命を辿ります。盧携の波乱に満ちた生涯は、唐代の政治や歴史においても重要な教訓を残すものとなりました。

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