真光寺 (神戸市)

真光寺の概要

真光寺（しんこうじ）は、兵庫区に所在する時宗の仏教寺院です。長い歴史を有するこの寺院は、訪れる人々に豊かな文化遺産と静寂な雰囲気を提供しています。

歴史的背景

真光寺の創建は仁明天皇（833年 - 850年）の時代に遡ります。恵萼が中国から持ち帰った観世音菩薩を和田岬で祀るために堂を建てたことから始まります。その後、建治2年（1276年）には、一遍上人がこの観音堂に住み、中興の開祖として知られるようになります。彼は正応2年（1289年）に亡くなるまで、寺院の発展に寄与しました。

一遍上人の死後、寺院は遊行2世の他阿上人によって再建され、伏見天皇から真光寺の名を賜ります。寺伝によると、赤松則村（円心）が境内の土地と寺領を寄進し、以降も多くの信者によって支えられてきました。

応安2年（1369年）には、第6世尊観法親王が本山の鎌倉遊行寺の遊行上人となり、その後真光寺は本山の支配下に入りました。また、慶長年間（1596年 - 1614年）には黒印を得て、多くの仏堂や僧堂が建設されました。元禄5年（1692年）には、いくつかの塔頭が設置され、その後も寺院は着実に成長し続けました。

しかし、1945年の神戸大空襲により、全ての伽藍が焼失し、多くの文化財が失われました。それにもかかわらず、一部は修復され、現在でも多くの信者に親しまれています。

文化財

真光寺には多くの歴史的な文化財が存在します。

一遍廟所

この廟所は兵庫県の指定記念物であり、鎌倉時代の後期に位置します。廟所は一遍上人の遺志に基づいて作られ、彼はその遺体を野に捨て、獣に施すようにと願っていました。しかし、地元の人々の結縁により、観音堂前の松の根元で荼毘に付され、廟が設けられたという経緯があります。

花崗岩製石造五輪塔

この五輪塔は鎌倉時代後期から南北朝時代にかけての作品であり、兵庫県の指定重要文化財です。高さは1.95メートルで、阪神淡路大震災の際に倒壊したものの、中からは一遍上人の骨灰が発見されました。

紙本著色遊行縁起

この資料は鎌倉時代のもので、重要文化財として指定されています。

真光寺は、福原西国三十三観音霊場の第33番札所として、聖観音を本尊とし、信者を始め多くの人々に訪れられています。

交通アクセス

神戸市への訪問時には、JR神戸線の「兵庫駅」で下車し、徒歩約10分の距離で真光寺に到着します。周囲には歴史的な名所も多く、散策を楽しむのにも適したエリアです。

関連項目

真光寺は兵庫七福神の一つで、福禄寿としても知られています。歴史を体感し、心を静める場として、多くの訪問者が足を運ぶ場所です。

参考文献

• - 圭室文雄 編『日本名刹大事典』（雄山閣出版、1992年）
• - 神戸市教育委員会 編『神戸の史蹟』（神戸新聞出版センター、1981年）
• - 日出新聞社 編『日本社寺大観』（日出新聞社、1933年）

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