眼筋麻痺

眼筋麻痺についての詳細

眼筋麻痺（がんきんまひ）は、主に目の動きを司る外眼筋に影響を及ぼし、眼球の運動に障害をもたらす状態を指します。この疾患には、外眼筋麻痺、内眼筋麻痺、および核間性眼筋麻痺が含まれることが一般的です。眼筋麻痺は、核性や核下性の末梢麻痺により非共同性の眼球運動障害が生じる状態で、複数の原因によって引き起こされることがあります。

外眼筋麻痺

外眼筋麻痺は、動眼神経、滑車神経、外転神経等の神経の麻痺によって生じるもので、特に眼瞼下垂や麻痺性斜視を伴うことが多いです。原因としては、筋無力症やボツリヌス菌の影響による神経筋接合部の異常、眼筋ミオパシーや眼窩筋炎、鼓膜骨折、先天性眼筋麻痺などがあります。この状態において、患者は複視が必ず見られ、目が動かない方向に見える仮像が生じます。左右や上下、斜め、回旋方向の複視があり、特に麻痺している筋肉の動作方向において症状が最も強く現れることが特徴的です。

外眼筋麻痺の診断には、複像検査やヘス赤緑試験、大弱視鏡による複視の測定が含まれます。また、注視野検査、筋電図、眼球電図などを通じて状態を把握し、診断を確定させます。治療としては、麻痺の原因となった病気の治療が優先され、外科的介入が必要な場合もあります。治療法には、ステロイドホルモンやビタミンB群、ATP、抗生物質などが含まれます。一部の複視にはプリズム矯正が行われ、長期間症状が続く場合には斜視手術が考慮されます。

内眼筋麻痺

内眼筋麻痺は、眼球が鈍傷を受けたり、ジフテリアやボツリヌス菌中毒、散瞳薬の点眼によって引き起こされます。治療法には、ピロカルピンや抗コリンエステラーゼ剤の点眼が有効です。

核間性眼筋麻痺

核間性眼筋麻痺は、眼球の共同運動を制御する皮質下のニューロンが障害を受けることによって発症します。この状態は内側縦束症候群とも呼ばれ、片方または両方の目が内側に移動しづらくなりますが、健眼が外へ向かう際にはその眼だけが外方に向かう解離性眼振が見られます。通常、このタイプの眼筋麻痺は脳幹梗塞や多発性硬化症に多く起因し、予後は比較的良好です。

まとめ

眼筋麻痺はさまざまな要因によって引き起こされ、その症状や治療法は原因によって異なるため、専門的な診断と治療が求められます。

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