石井賢次

石井賢次とその家族

石井賢次（いしい ともつぐ、後の忠張）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武士であり、肥前国佐賀藩の礎を築いた重要な人物です。彼は、肥前国の戦国大名・龍造寺氏の家老として、その名を残しています。賢次は名門の家系に生まれ、佐賀藩の初代藩主である鍋島直茂の義兄であり、初代藩主・勝茂の伯父でもあります。

生い立ちと経歴

賢次は、龍造寺隆信の重臣である石井兵部少輔常延の次男として生を受けました。彼の母は蓮華院（黒尾氏）で、妹には鍋島直茂の妻となり、勝茂の母となった陽泰院がいます。家族の中でも、賢次は特に隆信に仕え、その信任を受けて家老に任ぜられました。

賢次は、隆信の後継者である鎮賢（後の政家）の家老として重要な役割を担いました。彼は鎮賢から偏諱を受け、「忠張」から「賢次」という新たな名を与えられました。この改名は、彼が鎮賢から非常に信頼されていたことを示しており、賢次の名はその後の歴史に名を刻むこととなります。

戦いと最期

1582年、賢次は龍造寺氏の命を受け、筑後国の鷹尾城主・田尻鑑種を攻撃するために出陣しました。この際、彼は支城・江ノ浦城攻略のために一隊を指揮しましたが、激しい戦闘に巻き込まれ、賢次は戦死してしまいます。享年は51歳でした。戦での死は、彼の忠義を物語るものとして語り継がれています。

家族と子孫

賢次の家督は嫡男の左衛門尉信貞（忠明）が継ぎました。一方、次男の進士之允茂兼は、龍造寺四天王の一人である百武賢兼の養子となり、百武家を継ぐことになります。また、四男の修理亮茂成は後に佐賀藩の家老となり、鍋島直茂や勝茂から重用されました。

逸話と影響

賢次の影響は家族だけに留まらず、後に佐賀藩の重臣となる中野清明にも及びます。清明はもともと武雄城主・後藤貴明の重臣であったが、出奔し賢次の知行地に流れてきました。賢次は清明を非常に優れた人物とみなし、彼の義弟である鍋島直茂に推挙しました。清明の孫は、著名な武士道論書『葉隠』の著者、山本常朝として知られています。

結び

石井賢次は、戦国時代の重要な武将としてその名を馳せ、特に家族や子孫に多大な影響を与えました。彼の存在は、佐賀藩の歴史に深く刻まれ、後世に渡るまでその功績は語り継がれています。

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