石川 (大阪府)

石川（いしかわ）

石川は、大阪府南東部を流れる大和川水系の一級河川です。その源流は、河内長野市と和歌山県の境にある蔵王峠付近に位置し、そこからいくつもの滝を流れ落ち、滝畑ダムへと至ります。

流路

滝畑ダムから東へ流れ、河内長野市街で天見川、加賀田川、石見川と合流します。その後、流れを北に変え、富田林市、羽曳野市、藤井寺市の東部を流れ、富田林市で千早川、羽曳野市で梅川、飛鳥川といった支流を合わせます。最終的に、藤井寺市と柏原市の市境で大和川に注ぎます。

特徴

温泉: 流域には長野温泉が自噴しており、古くから宿場町や旅館が点在していました。この温泉は、深部流体に由来する珍しい泉質を持っています。
花火: 毎年8月1日には、富田林市と羽曳野市の堤防・河川敷が「教祖祭PL花火芸術」の見物客で賑わいます。周囲に遮るものが少ないため、絶好の観覧場所となっています。
レクリエーション: 河川敷には、自転車・歩行者専用のサイクルロード（南河内サイクルライン）が整備されており、地域住民の健康増進に貢献しています。
管理: 国土交通省と大阪府がそれぞれ管轄しています。大和川合流点から石川橋下流端までが国土交通省、それより上流が出合橋までが大阪府の管轄です。

地質学的特徴

石川の流域は、地質学的に非常に興味深い場所です。

火山活動: 約1300万年前、瀬戸内火山帯の活動により、安山岩の露頭（汐ノ宮火山岩）が生成されました。この頃には、既に石川の原型となる河川が存在していたと考えられています。
河川争奪: 約100万年前まで、石川は現在とは異なる流れを辿り、天野川下流部を通っていました。しかし、六甲変動による羽曳野丘陵の隆起によって、河川争奪が発生し、現在の流路になったとされています。
河岸段丘: 羽曳野丘陵の隆起と河川争奪の影響で、河岸段丘が形成されました。特に富田林市と河内長野市では顕著で、この段丘地形を利用した集落が形成され、現在の街並みにも影響を与えています。
多様な地層: 流域には、領家帯花崗岩、和泉層群、二上層群、大阪層群といった多様な地層が存在します。そのため、河原の石もバリエーションに富んでいます。

歴史

石川の歴史は、人々の生活と深く結びついています。

ため池: 1649年には寺々池が造られ、その水を活用した水路が作られました。
大和川付替え: 1704年には、大和川の流路変更が行われ、石川との合流点が現在の位置になりました。
玉手橋: 1928年に架橋された玉手橋は、吊り橋として全国初の登録有形文化財に指定されています。
滝畑ダム: 1981年には、河内長野市滝畑に滝畑ダムが完成しました。
アケボノゾウ化石: 1989年には、金剛大橋流域で約100万年前の地層からアケボノゾウの足跡化石が発見されました。

流域の自治体

大阪府
河内長野市
富田林市
南河内郡河南町
羽曳野市
柏原市
藤井寺市

主な支流

天見川 (河内長野市)
加賀田川 (河内長野市)
石見川 (河内長野市)
佐備川 (富田林市)
細谷川 (富田林市)
千早川 (南河内郡千早赤阪村、河南町、富田林市)
梅川 (南河内郡河南町、太子町)
飛鳥川 (南河内郡太子町、羽曳野市)

主な貯水池

滝畑ダム
寺ヶ池
灰原池

平行する交通

鉄道
近鉄長野線（河内長野駅～古市駅間）
近鉄南大阪線（古市駅～道明寺駅間）
近鉄道明寺線（道明寺駅～柏原駅間）
道路
南河内サイクルライン（富田林市・川西大橋以北）
国道170号（河内長野市街以北）
大阪府道218号河内長野かつらぎ線
大阪府道・和歌山県道61号堺かつらぎ線（滝畑ダムより上流）

関連項目

石川河川公園 - 河川敷につくられた都市公園（広域公園）
日本の川一覧

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