石清尾山塊

石清尾山塊：高松市街を望む歴史と自然の宝庫

石清尾山塊（いわせおさんかい）は、香川県高松市の高松平野北西部に位置し、市街地にほど近い場所にあります。周囲約16kmに及ぶ独立した山塊は、東西約3km、南北約4kmに広がり、市民の憩いの場として親しまれています。

石清尾山塊の概要

山塊は、北端の石清尾山（232.4m）、南側の浄願寺山（239.5m）、東側の稲荷山（166m）と室山（199.8m）などの平坦な峰々から構成されています。石清尾山塊という名称は、北東山麓に鎮座する石清尾八幡神社に由来します。

稲荷山と室山の2峰は、「紫雲山（しうんざん）」と総称され、峰山町から石清尾山にかけて広がる緩斜面と平坦地は、通称「峰山（みねやま）」と呼ばれています。

古代からの歴史を刻む古墳群

石清尾山塊の峰や尾根には、古墳時代の前期から後期にかけて築かれた120基を超える積石塚や盛土墳が分布しています。中でも、全長約96mの双方中円墳である「猫塚古墳」を含む20基以上の積石塚群は、「石清尾山古墳群」として国の史跡に指定されており、香川県を代表する古代遺跡として知られています。

自然とレクリエーション

石清尾山塊は「香川のみどり百選」にも選ばれており、豊かな自然に恵まれています。峰山には、高松市の峰山公園が整備されており、芝生広場、アスレチックコース、バーベキュー広場、キャンプサイトなど、様々な施設が利用できます。登山やハイキングコースも整備されており、市民に身近な里山として親しまれています。

石清尾山の展望台からは、東に屋島、西に五色台を望む瀬戸内海の絶景が一望できます。眼下には高松市の中心市街とサンポート高松が広がり、女木島、男木島、直島、豊島、小豆島などの島々や、行き交う船舶、遠くには岡山県の山々を望むことができます。夜景スポットとしても人気を集めています。

地形・地質

石清尾山と浄願寺山は、白亜紀後期の花崗岩類を、中期中新世の讃岐岩質安山岩（サヌキトイド）が覆ったビュートであり、頂部には平坦面が残っています。石清尾八幡宮から紫雲山にかけては、讃岐岩質安山岩の貫入岩体が見られ、石清尾山の東の尾根には火道角礫岩が分布しています。

登山・ハイキングコース

石清尾山から紫雲山を巡るコースは、代表的なハイキングコースです。市民病院バス停から車道を5分ほど登ると、登山口があります。稜線に沿って進むと石清尾山の山頂展望台に到着します。展望台から南へ進み、猫塚古墳を経由して車道に出ます。車道を南に進み、姫塚古墳、小塚古墳の前を通り、ハイキングコースの道標に従って山道に入ります。石船塚古墳の右側をたどると紫雲山への縦走路に入り、東側に下って紫雲山に登り返すと、稲荷山と室山の分岐の尾根に出ます。北に折れて稲荷山を目指し、急坂を下って中野稲荷神社の境内へ。JR栗林公園北口駅がゴールとなります。

歴史

古墳時代には、石清尾山塊の北側の山麓は海岸であり、東側と西側の山麓を河川が流れていました。標高150〜160mの摺鉢谷では、弥生時代の青銅器、土器、石器が採取されており、高地性集落の痕跡が認められています。

江戸時代には、西嶋八兵衛が治水工事を行い、香東川の流れを一本に改変しました。昭和時代に入ると、摺鉢谷の緩斜面と平坦地が開拓され、峰山町が誕生しました。

山の標高

石清尾山：232.4m
稲荷山：166m
室山：199.8m
浄願寺山：239.5m
小山：166.8m

交通

バス路線は山麓までで、山上へはタクシー、自家用車、徒歩などでアクセスします。

ショートカット

栗林トンネル：高松市中心部と鶴尾地区を結ぶ動脈。
峰山トンネル：高松西部地域と高松中心部とのアクセスを向上させる重要な道路。
切通越え：鶴尾地区と弦打地区を結ぶ狭隘な農道。

石清尾山塊は、高松市街に隣接しながらも、豊かな自然と歴史に触れることができる貴重な場所です。ぜひ一度、足を運んでみてください。

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