石町 (名古屋市)

石町（こくちょう）

概要

石町は、かつて愛知県名古屋市東区に存在した町名です。1丁目から3丁目までがありましたが、1976年（昭和51年）1月18日に、同区の泉一丁目および同二丁目に編入され、その歴史を閉じました。

地理

石町は、東は鍋屋町、西は中市場町2丁目、南は武平町2丁目、下竪杉町1丁目、富士塚町3丁目、七小町、北は武平町1丁目、東片端町1丁目、上竪杉町6丁目、東片端町2丁目、冨士塚町1丁目に接していました。名古屋市の中心部に位置し、交通の要所としても機能していました。

学区

石町に住む人々が通っていた学区は以下の通りです。

中学校: 名古屋市立冨士中学校
小学校: 名古屋市立山吹小学校、名古屋市立東桜小学校

これらの学校は、石町の子供たちの教育を担っていました。

人口

石町の人口は、国勢調査によってその推移が記録されています。しかし、編入により消滅しているため、詳細なデータは過去の統計資料を参照する必要があります。

歴史

地名の由来

石町の地名の由来には諸説あります。

有力な説は、名古屋城下町の開発時に穀物商が多く所在したことに由来するというものです。この説は、石町が商業の中心地であったことを示唆しています。
一方で、『尾張志』には、清洲越し（清洲から名古屋への移転）の際、築城のために当地で石垣を切り出したという記述があります。この説は、石町が歴史的に重要な役割を担っていた可能性を示唆しています。

沿革

石町の歴史は、明治時代から昭和時代にかけて、以下の変遷をたどりました。

明治初年 - 一部が中市場町に編入されました。
明治4年 - 小牧町を編入しました。
1878年（明治11年）12月20日 - 名古屋区成立に伴い、同区石町となりました。
1889年（明治22年）10月1日 - 名古屋市成立に伴い、同市石町となりました。
1908年（明治41年）4月1日 - 東区成立に伴い、同区石町となりました。
1944年（昭和19年）2月11日 - 栄区成立に伴い、一部が同区石町となりました。
1945年（昭和20年）11月3日 - 栄区廃止に伴い、栄区石町が中区石町となりました。
1946年（昭和21年）4月15日 - 中区石町の全域が東区石町に編入されました。
1976年（昭和51年）1月18日 - 東区泉一丁目および同二丁目に編入され、石町としての歴史を閉じました。

このように、石町は名古屋市の行政区画の変遷とともに、その所属を変えてきました。

史蹟

松本奎堂の塾跡
安政6年から文久元年まで、当地には松本奎堂が開いていた私塾がありました。この塾は、当時の教育に貢献した場所として、その歴史を今に伝えています。

脚注

この文章は、参考文献に記載された資料に基づいて作成されました。

参考文献

名古屋市総務局企画室統計課 編『昭和31年版 名古屋市統計年鑑』名古屋市、1957年。
名古屋市総務局企画部統計課 編『昭和41年版 名古屋市統計年鑑』名古屋市、1967年。
名古屋市総務局統計課 編『昭和51年版 名古屋市統計年鑑』名古屋市、1977年。
「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 23 愛知県』角川書店、1989年3月8日。ISBN 4-04-001230-5。
名古屋市計画局『なごやの町名』名古屋市計画局、1992年3月31日。

関連項目

名古屋市の地名

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