石神 (民間信仰)

石神（いしがみ、しゃくじん）とは

石神とは、民間信仰において、霊石や石器を依り代や神体として祀る対象のことです。特に、関東地方や近畿地方の一部でこの信仰が顕著に見られます。地域によっては、「しゃくじ」「おしゃぐじ」「おしゃごじ」「おさんごじ」「おシャモジ様」など、様々な名称で呼ばれています。

ミシャグジとの関連

長野県の諏訪大社に関わるミシャグジ（御社宮司）という神がいますが、このミシャグジと石神は名称が類似しているため、長い間、同一の信仰として扱われてきました。諏訪地域とその周辺には「ミシャグジ社」が点在しており、これらの信仰と石神信仰には共通点が多いとされていました。また、石神として祀られるものの中には、縄文時代の石器が多く含まれていることから、この信仰は縄文時代まで遡る可能性も指摘されていました。

しかし、近年では、諏訪のミシャグジと、その他の地域の石神や「ミシャグジ的なもの」は、切り分けて考えるべきだとする意見が研究者の間で出てきています。このため、石神信仰が縄文時代から続くものであるという見解にも疑問が呈されています。

石神・「ミシャグジ的」信仰の例

三狐神（さぐじ、しゃぐじ、しゃごじ、みしゃごじ）

三狐神は、農家で祀られる田の神、または田畑の守り神とされています。「三狐神（さんこしん、さんこじん）」という音から変化した名称であり、「シャゴジ」と訓んで、シャグジと同類と考える説もあります。

機殿神社の末社では、諏訪の土俗神として「三狐神（ミシャゴジ）」が祀られています。また、伊勢市の二見興玉神社にある「天の岩屋」は、稲荷神（宇迦之御魂神）を祀る三宮神社の遺跡とされていますが、かつては石神（シャグジ）または三狐神であり、洞の奥に燈火が灯されていたという伝承が残っています。

関連する項目

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参考文献

古部族研究会 編『古代諏訪とミシャグジ祭政体の研究』人間社〈日本原初考 1〉、2017年。ISBN 978-4-908-62715-6。
スワニミズム 編『スワニミズム 第4号』2018年。
小学館国語辞典編集部 編「三狐神」『大辞泉』小学館、2012年。ISBN 978-4-095-01213-1。
デジタル大辞泉『三狐神』 - コトバンク
* “2．名勝を構成する要素”. 名勝二見浦保存管理計画 第2章 第3節. 伊勢市役所 (2010年3月). 2019年2月21日閲覧。

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