石見清裕

石見清裕

石見清裕（いわみ きよひろ、1951年 - ）は、日本の東洋史学者。早稲田大学教育・総合科学学術院名誉教授であり、隋唐史を専門としています。

略歴

東京都杉並区出身。1977年に早稲田大学商学部を卒業後、早稲田大学第二文学部東洋文化専攻に学士入学し、1979年に卒業。1981年に早稲田大学大学院文学研究科修士課程を修了、1984年に同大学院文学研究科東洋史学専攻博士後期課程を単位取得退学しました。1996年、「唐の北方問題と国際秩序」で早稲田大学より博士（文学）の学位を取得。学位論文の審査は、古賀登が主査を務め、藤家禮之助、福井重雅、村山吉廣が副査を務めました。

1986年から1988年まで早稲田大学東洋史学助手、1988年から2002年まで早稲田大学文学部非常勤講師を経て、2002年から2004年まで早稲田大学教育学部助教授。2004年9月、早稲田大学の学術院制度導入に伴い、2007年まで早稲田大学教育・総合科学学術院助教授、2007年からは同学術院教授を務めました。

また、1989年から教育総合研究所兼任研究員、2016年からは中央ユーラシア歴史文化研究所研究所員も兼任。2013年から2015年までは唐代史研究会の会長を務めていました。2007年以降は早稲田大学大学院文学研究科でも研究指導を担当し、同研究科や早稲田大学文学部で講義を行っています。

研究分野

当初は、中国史上初の統一長期安定政権である漢の研究を志していました。これは、漢の民族複合と国際関係のあり方が、現代に至る中国の原型をなしていると考えたためです。当時の学界では、漢と周辺諸民族の関係を同心円的な冊封体制として捉え、このシステムが清代まで続くとされていました。しかし、石見は冊封体制論を清代まで適用することに疑問を持ち、漢代以降にどのような変容が起きたのかを追究する必要性を感じました。そのため、漢の滅亡後に再び統一的な長期安定政権を樹立した唐に焦点を当て、隋唐史を主な研究対象とするようになりました。

著作

学位論文

「唐の北方問題と国際秩序」、早稲田大学〈博士学位論文（乙第1200号）〉、1996年6月11日

著書

石見清裕『唐の北方問題と国際秩序』汲古書院〈汲古叢書 14〉、1998年
石見清裕『唐代の国際関係』山川出版社〈世界史リブレット 97〉、2009年4月
呉兢 『貞観政要 全訳注』講談社学術文庫、2021年1月

編著

『訳註 日本古代の外交文書』鈴木靖民、金子修一、浜田久美子 共訳注、八木書店、2014年2月
『ソグド人墓誌研究』汲古書院、2016年3月

主要論文

「唐の建国と匈奴の費也頭」『史学雑誌』第91巻第10号、史学会、1982年10月
「玄武門の変前夜の突厥問題」『史観』第108巻、早稲田大学史学会、1983年3月
「唐代の帰化と諸蕃」『中国古典研究』第33巻、中国古典研究会、1988年12月
「唐の国書授与儀礼について」『東洋史研究』第57巻第2号、東洋史研究会、1998年9月
* 「唐代内附民族対象規定の再検討－天聖令・開元二十五年令より－」『東洋史研究』第68巻第1号、東洋史研究会、2009年6月


石見清裕先生は、長年にわたり隋唐史研究の発展に大きく貢献されており、その研究成果は、学界内外から高く評価されています。

もう一度検索