磯野秋雄

磯野 秋雄（いその あきお）

磯野秋雄は、1910年10月20日に神奈川県横浜市鶴見区で誕生しました。本名でも知られる彼は、日本の演劇と映画界において多才な俳優の一人です。実家は新聞販売業を営んでいましたが、彼が幼少期に家族は東京府東京市浅草区に引っ越し、美以美尋常高等小学校を卒業しました。しかし、この学校は関東大震災によって焼失してしまいました。

幼少期からの舞台活動

7歳の時、磯野は花柳章太郎の門下生となり、子役としての道を歩み始めます。彼は本郷座で初舞台を踏み、その後も松竹合名会社経営の劇場で活躍しました。1921年に松竹キネマ研究所の牛原虚彦監督の映画『山暮るゝ』に初出演し、新派劇と交互に舞台や映画に出演しました。

1925年には松竹蒲田撮影所の専属俳優となり、数多くの作品に登場。特に三井秀男と阿部正三郎とのトリオでの活動が話題まりました。彼らの活躍は、1931年に公開された野村浩将監督の映画『令嬢と与太者』から始まり、このシリーズは後に続く多くの作品の礎となりました。また、1932年には島津保次郎監督の『嵐の中の処女』での演技が高く評価され、多くの批評家たちから賞賛を受けました。

戦後の活動とテレビドラマ

1943年に松竹蒲田撮影所を退社した磯野は、劇団笑の王国に参加し舞台活動を再開しましたが、1944年には応召され、戦後の1946年に復員しました。戦後の日本映画界でも、彼は依然として松竹を中心に脇役として活躍し続けましたが、1960年代後半からテレビドラマへの出演がメインとなりました。彼のテレビドラマでの印象的な出演作品には、『夫婦百景』や『特別機動捜査隊』などがあります。

経歴の集大成と晩年

磯野は1980年代初頭まで活躍していましたが、1986年1月21日の朝、肺癌により横浜市戸塚区の大船共済病院で75歳で亡くなりました。彼の75年の生涯は、日本のエンターテインメント界に多大な影響を与え、多くの作品にその名を刻んでいます。

主な出演作品

夫婦百景（日本テレビ）
- 第96回「ベテラン夫婦」（1960年）
- 第379回「女房商法」（1966年）
煙の王様（1962年、TBS）
特別機動捜査隊（NET / 東映）
- 第75話「停年」（1963年）
- 第108話「枯葉」（1963年）
- 第194話「河の女」（1965年）
いまに見ておれ（1964年、TBS / 国際放映） ※主演：青島幸男
ウルトラQ 第6話「育てよ! カメ」（1966年）
太陽にほえろ! 第56話「その灯を消すな!」（1973年、日本テレビ / 東宝）
* 伝七捕物帳 第58回「花となった女」（1975年、日本テレビ / ユニオン映画）

これらの作品を通じて、磯野秋雄は多くの視聴者に印象深い役を演じ、今なお多くの人々から愛されています。

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