示部

示部（しぶ）

示部は、漢字を部首に基づいて分類する際に用いられるグループの一つであり、康熙字典における214部首の中で113番目に位置しています。この部首は、筆画の一部として「示」を含む漢字を分類の基準としています。

概要

「示」という漢字は、他者に自分の考えや物を示すという意味を持ち、その字形は神や祖霊が宿る木や石で作られた神主を象徴する象形文字として起源があります。後漢に編纂された『説文解字』では、天から日や月、星が垂れている様子を表現したとされますが、これは誤った分析であるとされています。「示」は鬼神や祭祀、吉凶にまつわる文字に用いられる意符でもあり、その形は楷書において主に下部に位置します。その形は「礻」として変形することもあります。

字体差

康熙字典では、「示」は下の脚で「小」の形が用いられていますが、現在では中華人民共和国、日本、韓国での「示」は「小」型に統一されています。台湾や香港では、終筆を点としながらも中央の縦画は棒状である形が採用されています。韓国では、康熙字典の形を維持した「⺬」を使用し、日本では一部の漢字で「礻」形が使われています。

示と礻

楷書では「示」の偏が崩れ「礻」形となりますが、印刷書体である明朝体においては康熙字典体に合わせて再び「示」が用いられます。戦後の日本の印刷書体では新字体において「礻」が採用されたものの、表外字については不統一が生じています。特に「祇」や「榊」といった漢字では、この混乱が目立ちます。2000年に制定された「表外漢字字体表」では、基本的に康熙字典体が基準とされ、「礻」も許容字体として認められています。

比較と発音

日本：しめす・しめすへん・ねへん
中国：示字底・示字旁
韓国：보일시부（boil si bu、見せる示部）・보일시변（boil si byeon、見せる示偏）
英米：Radical spirit

中古音から現代の音にかけて、各言語における読み方にも差異があります。特に日本語では「シ」と「ジ」の音が存在し、訓読みとしては「しめす」が使われます。

例字

示部に分類される漢字の例をいくつか挙げると、以下のような漢字があります。

• - 3画: 祀、社、祁
• - 4画: 祈、祇、祉
• - 5画: 祠、祝、神、祟、祖、祓、秘、祐

このように、示部は宗教に関する漢字が多く、さらに筆画の形状や使用される地域によってバリエーションが存在します。この部首は漢字の理解を深める際に重要な要素となっています。

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