礼文岳

礼文岳：北海道礼文島の雄大な自然を満喫できる山

礼文岳は、北海道礼文郡礼文町に位置する標高490mの山です。花の百名山、新花の百名山、北海道百名山、新日本百名山に選定されており、北海道の代表的な景勝地として知られています。

多様な植生と変化に富んだ登山道

礼文岳の登山道は、変化に富んだ植生帯を通過します。登山道は内路集落から始まり、まず森林地帯を抜けると、草原地帯へと変わります。さらに高度を上げると、ハイマツ原や岩場が現れ、多様な植生を間近に観察しながら登山を楽しむことができます。登山ルートの片道は約4.5kmで、往路約2時間、復路約1時間半と比較的容易なコースですが、標高差と天候の変化には注意が必要です。350メートル地点で森林限界に達します。

登山道にはトイレや水場、売店がないため、内路集落で十分な水や食料、装備の準備を整えてから出発することが不可欠です。また、標高が低いにもかかわらず、天候は変わりやすく、急に荒れることがあります。安易な気持ちで登山することは非常に危険です。万全の準備と安全意識を持って登山計画を立てましょう。

山頂からは、晴れた日には素晴らしい眺望が広がります。北にはスコトン岬の先に樺太、モネロン島（ロシア）を望むことができ、南には礼文水道の先に利尻富士、天売[[島]]、焼尻島を見ることができます。

礼文岳は主に中生代の地層で構成されており、地質学的にも貴重な山です。山頂付近には、かつてキバナシャクナゲやウルップソウなどの高山植物が群生していましたが、盗掘により絶滅してしまいました。現在では、チシマザサ、ダケカンバ、トドマツ、ハイマツ、ゴゼンタチバナ、キバナシャクナゲ（現在は自生が少ない）、チシマワレモコウ、ミヤマキンバイ、マイヅルソウ、ガンコウラン、コケモモ、ホソバウルップソウ、カラフトマンテマなど、様々な高山植物を見ることができます。

アクセスと登山道の注意点

礼文岳へのアクセスは、バスを利用する場合、香深港からスコトン岬行きのバスで内路バス停で下車します（約20分）。車の場合は、内路集落に無料駐車場があります。

かつて存在した起登臼ルートは現在閉鎖されており、通行できません。また、古いガイドブックに掲載されている礼文岳山頂から礼文林道へ抜ける礼文横断コース（愛とロマンの8時間コース）も完全に廃道になっており、通行は危険です。過去には遭難事故も発生していますので、絶対に利用しないでください。最新の登山情報を確認し、安全なルートを選びましょう。

参考文献

「利尻・知床を歩く」（山と溪谷社、1997）
「利尻・礼文自然観察ガイド」（山と溪谷社、2006）
『地球の歩き方 島旅04　利尻・礼文』(ダイヤモンド・ビッグ社、2016)
『改訂新日本山岳誌』(日本山岳会、2016)
伊藤健次『北海道の山』(山と溪谷社、2017)

関連情報

礼文町
礼文島
礼文町役場
* 礼文島トレイルコース

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