祁弘

祁弘（き こう）

祁弘は、中国西晋時代の将軍です。彼の生涯は、西晋の動乱期における軍事的な活躍で彩られています。

生涯

祁弘は、安北将軍であった王浚に仕え、その主簿に任じられました。王浚が司馬穎討伐のために挙兵すると、祁弘はその前鋒として活躍しました。段部の段務勿塵や烏桓の羯朱といった異民族の兵を率い、王斌や石超といった司馬穎側の将軍を打ち破るなど、目覚ましい戦果を挙げました。王浚と共に司馬穎の本拠地である鄴を攻略するにあたり、大いに貢献しました。

司馬越が恵帝奪還と司馬顒打倒を掲げて挙兵すると、王浚は祁弘に烏桓の騎兵を率いさせ、司馬越を支援させました。祁弘は宋冑や馬纂らと共に長安に進軍し、司馬顒軍を破りました。彭随や刁黙といった司馬顒配下の将軍を打ち破り、司馬顒を太白山へ敗走させるという大戦果を挙げました。長安入城後、恵帝を洛陽へ帰還させるという大役も担いました。

石勒が常山に襲来すると、祁弘は段務勿塵らと共に石勒討伐に乗り出しました。飛龍山での戦いでは、石勒軍に大勝し、黎陽まで退却させることに成功しました。

祁弘は劉霊を討伐し、その首を討ち取るという功績も挙げています。

しかし、永嘉5年（312年）、石勒討伐の際、広宗で濃霧に遭遇し、撤退中に石勒と遭遇してしまい、討ち取られてしまいました。

祁弘は、西晋の混乱期において、その武勇と忠義によって名を馳せた将軍でした。

参考文献

『晋書』列伝第三十九 - 王沈伝　付王浚伝
『資治通鑑』巻八十五 - 巻八十八

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