神保長職

神保長職の生涯と業績

神保長職（じんぼう ながもと）は、戦国時代の越中における名門大名として知られる人物で、神保氏の当主であり、増山城と富山城の城主でもありました。彼は神保慶宗の子とされ、一族の伝統と名誉を守るべく尽力しました。その生涯は、激動の時代を背景にした戦いの連続であり、彼の行動は越中の歴史に大きな影響を与えました。

越中を掌握するまでの足跡

長職の名前が歴史に登場するのは、彼が越中の地位を固めた天文年間からです。彼の先代である神保慶宗が越中守護の畠山尚慶から授けられた偏諱を受けたことが、長職の氏名の由来ともされ、守護の地位に就くことへの意欲が伺えます。神保家は、神保慶明が連合軍と共に神保氏の家を引きつぐ様子が見られ、さらには人質として越中国を支配する重要な役割を果たしていました。

長職が実際に名が確認されるのは、1543年頃からです。彼は神通川を越え新川郡に進出し、富山城を築いて越中を二分する大乱を引き起こしました。この時、椎名長常や他の国人衆を味方にし、神保家の勢力を盤石なものにしました。

上杉氏との抗争と再起

長職は、永禄2年には椎名氏への圧力をかけ始めますが、上杉謙信の仲介を受けた後も、その攻撃は止むことはありませんでした。1560年、長職は謙信の出兵を受けて富山城を放棄し、増山城へと逃れました。多くの戦いの中で、彼は結果的に武田信玄と共謀しようとするものの、その後の上杉軍との戦闘により再び敗北しました。

長職はその後も希望を失わず、1570年には越中一向一揆の二大寺院を味方に付け、勝利を収めるなど、彼の指導力と戦略は光ります。この時期、神保家は再び力を取り戻しましたが、内紛や謙信との関係悪化が影を落とすことになります。

内部抗争と最期

長職の死後、彼の嫡子である神保長住との間には内紛が勃発しました。親上杉派と反上杉派との争いは激化し、長職は一時的に剃髪して宗昌と名乗り、家督を次男に譲る決断をしました。しかし、神保家は内紛によって徐々に衰退の一途を辿ります。

1576年には長城が消息を絶ち、これにより神保氏の嫡流は滅亡を迎えることとなります。他の家系は一時的に富山城の主となるものの、結局は滅び、神保氏の歴史は幕を下ろしました。彼が築いた政権が散ったことで、越中国の情勢はさらに不安定なものとなり、戦国時代の波乱は続くこととなるのです。

神保長職の一生は、彼自身の奮闘とその仲間との関係に満ちており、越中の戦国時代を象徴する武将の一人として記憶され続けるでしょう。

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