神具

神具について

神具とは、神道の祭祀において使用される道具や器具の総称です。これらの道具は、神様への信仰を表すために用いられ、祭典や儀式において重要な役割を果たします。素材としては、木製のものが多く、特に白木がよく使われます。その他、金属製の真鍮や白い陶器も用いられることがあります。

主な神具

神棚

神棚は、家庭や会社などで神様を祀るための場所です。一般的には、壁の高い位置に設置され、東向きまたは南向きに設置されることが多いです。神棚が設置できない場合は、箪笥などの上を利用することもあります。

宮形（みやがた）

宮形は、神社の社殿を模して作られたもので、通常は白木でできています。一社造り、三社造り、七社造りなどがあり、家庭では一社造りまたは三社造りがよく使われます。神札（おふだ）の祀り方は、一社造りの場合は伊勢神宮の神札を一番前に、三社造りの場合は中央に伊勢神宮の神札を祀ります。

注連縄（しめなわ）

注連縄は、稲藁で作られた縄に四本の紙垂（しで）を垂らしたもので、聖域を区切るために使われます。神聖な場所を示すために、神棚や神社の入り口などに張られます。

神鏡（みかがみ）

神鏡は、神社や神棚に納められる円形の鏡で、神様の御神体として扱われることがあります。通常は台と共に用いられ、神聖な存在を表す象徴として、祭祀で重要な役割を担います。

三方（さんぼう）

三方は、神饌（しんせん、神様へのお供え物）を供えるための白木製の台です。お米やお酒、お供え物を載せるために使われ、祭祀の際に欠かせない道具の一つです。

土器（かわらけ）

土器は、神酒や塩、水などを入れるための素焼きの器です。神様に捧げるためのものであり、祭祀の際に使用されます。

灯明

灯明は、神前を照らすために用いる照明器具です。三本の棒を組み合わせた脚付きの灯明皿や燭台が使われます。

榊立て（さかきたて）

榊立ては、榊を供えるための陶器製の花立です。白木または陶器製の井桁と組み合わせて用いられることが多いです。

御幣（ごへい）

御幣は、紙や布などを用いた依代（よりしろ）です。古くは感謝の気持ちを表すために木に挟んで奉げた儀式が、依代として認識されるようになったと考えられています。

大麻（おおぬさ）

大麻は、修祓（しゅばつ、お祓い）のために用いる道具です。身を清めるために使われ、祭祀において重要な役割を果たします。

祖霊舎（それいしゃ）

祖霊舎は、各家庭の先祖代々の霊を祀るためのもので、神棚が神を祀るのに対し、祖霊舎は先祖を祀ります。

霊璽（れいじ）

霊璽は、故人の霊の依り代となるもので、仏教における位牌に相当します。通常は白木で柱状に作られ、故人の諡が記されます。

案（あん）

案は、神社の社殿や神事（結婚式や地鎮祭など）で使用される机または台です。白木で作られ、通常は八本の足があることから八足案とも呼ばれます。玉串や神饌などを置くために使われます。

高坏（たかつき）

高坏は、神饌などを奉げる際に御物を載せるための台です。

折敷（おしき）

折敷は、神饌を奉げる際に土器などを載せる台です。

唐櫃（からひつ）

唐櫃は、折敷などを運搬する際に使用する脚付きの箱です。

人形・形代（ひとがた・かたしろ）

人形・形代は、人の身代わりとなって災厄を引き受けると考えられている、神事に用いられる紙製の道具です。

神楽鈴（かぐらすず）・鈴

神楽鈴は、神様を迎える際に用いる道具です。

鳥居（とりい）

鳥居は、神域を表す門で、神社の入り口などに建てられます。

神輿（みこし）

神輿は、神様の霊が一時的に宿る依代となるもので、神輿渡御の際に使われます。

祝詞幣（のりとへい）

祝詞幣は、出雲大社などで神事に用いられる道具で、祝詞奏上の際に使用します。

水器（すいき）

水器は、神前に水を供える際に使用する器です。蓋付きのものと蓋なしのものがあります。

掻敷（かいしき）

掻敷は、神饌の下に敷くもので、和紙や木の葉などが用いられます。

柳筥（やないばこ）

柳筥は、柳の枝で編んだ箱で、神鏡や布帛などを納めたり、短冊や冠を乗せる台として使われます。

まとめ

神具は、神道の祭祀において不可欠な道具です。それぞれの神具には、神様への信仰や感謝の気持ちが込められており、祭典や儀式において重要な役割を果たしています。これらの道具を通じて、神道の精神や文化を理解することができます。

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