神奈川中央交通舞岡営業所

神奈川中央交通 舞岡営業所

神奈川中央交通舞岡営業所は、神奈川県横浜市戸塚区舞岡町に所在するバス営業所である。営業所を示す略号として「お」が使用されており、最寄りのバス停留所名も営業所名と同じく「舞岡」となっている。この略号は、他の営業所（例：町田「ま」、伊勢原「い」）との識別のため採用された。

沿革と組織変遷

当営業所は1963年5月10日、神奈川中央交通の施設として開設された。長期にわたり地域のバス輸送を担ってきたが、組織構造の変化を経験している。2011年10月16日には、横浜営業所配下の舞岡操車所へと位置づけが変更され、運行業務はグループ会社の横浜神奈交バスへ全面的に委託される形となった。しかし、2017年1月1日に行われた神奈中グループ全体の再編に伴い、横浜神奈交バスへの委託体制は終了し、神奈川中央交通の直営営業所としての運営が再開された。この組織復帰と同時に、過去に使用されていた略号「お」も再び使用されることとなった。

管轄エリアと路線網の特徴

舞岡営業所が運行を担う路線は、主に戸塚駅東口および東戸塚駅東口を拠点としている。そのサービスエリアは広範囲に及び、南方向は横浜市営地下鉄の上永谷駅や京急線上大岡駅周辺、東方向は横浜市の中心ターミナルである横浜駅方面、西方向は相鉄いずみ野線沿線まで、多岐にわたる地域を結んでいる。ただし、戸塚駅の西口側にある戸塚バスセンターから発着する路線は、横浜市泉区に位置する戸塚営業所が担当しており、舞岡営業所の管轄ではない。

当営業所の路線網は、かつて横浜市営バスが運行していた路線の移譲を多く受けたことで、規模が大幅に拡大したという経緯がある。この移譲により、管轄する路線の総延長や本数は、神奈中グループ内で大和営業所に次ぐ規模となっている。近年では、横浜市栄区に所在する横浜営業所が管轄するエリアの一部である磯子地区にも乗り入れるなど、サービス範囲をさらに広げている。特に、2001年に横浜営業所笹下操車場が廃止された後は、それまで笹下操車場が担当していた多くの路線（一部は他営業所へ再移管されたものも含む）や、横浜市営バスから引き継いだ路線群が移管され、担当路線が急増した。

主な運行系統

多種多様な系統が運行されているが、いくつかの特徴的な系統や主要なグループを紹介する。

YAMATE LINER (11系統)

桜木町駅と保土ケ谷駅東口を結ぶ路線で、「YAMATE LINER」という愛称で親しまれている。2007年に横浜市営バスから移譲されたもので、専用デザインのノンステップバスが運用され、独自の区間走行やバスロケーションシステムの早期導入など、特別なサービスが提供されている。

戸塚駅東口発着系統

戸塚駅東口を発着する系統群は、営業所の主要な運行系統を構成している。横浜駅東口へ向かう横43・横44系統、保土ケ谷駅東口方面への戸38系統、相鉄いずみ野線の緑園都市駅や東戸塚駅東口方面への戸09・戸33系統など、方面別に様々な路線がある。特に舞岡営業所への出入庫路線である戸22系統（戸塚駅東口 - 舞岡）は運行頻度が高く、地域の主要な足となっている。

東戸塚駅東口発着系統

東戸塚駅東口からも多くの路線が発着しており、こちらも重要な運行拠点である。井土ヶ谷下町方面への東01系統、横浜駅西口方面への横17系統（保土ケ谷駅経由）、平戸団地や川上団地といった住宅地への東03・東04系統、相鉄いずみ野線緑園都市駅・弥生台駅方面への東10・東23系統などがある。東50・東55系統は、駅と周辺の住宅地を結ぶミニバス路線として、地域内の移動を支えている。東戸塚駅西口発着としては、新戸塚病院周辺を循環する東16系統が唯一存在する。

上大岡駅発着系統

上大岡駅を起点とする路線には、芹が谷や上永谷駅方面を循環する30・71系統、東戸塚駅へ向かう上202・203系統などがある。これらの多くは、過去に横浜市営バスとの共同運行が行われていた路線であり、後に舞岡営業所へ移管された経緯を持つ。特に30・71・203系統は市営バスからの全便移譲を経て、現在に至る。2012年に運行を開始した上31系統は、上大岡駅とそれまで公共交通が手薄だった日野ヶ丘地区を結ぶ循環路線である。

その他の系統と過去の運行

この他にも、井土ヶ谷下町と弘明寺口周辺を結ぶ井11・井12系統や、磯子駅と弘明寺方面を結ぶ60系統（横浜市営バスからの移譲路線）などが運行されている。過去には、横浜駅や東戸塚駅、上大岡駅などから相鉄線方面へ向かう長距離路線や、空港連絡バス、深夜急行バスなども運行されていたが、路線網の再編や需要の変化などにより廃止または他営業所へ移管されている。

車両構成

舞岡営業所には、その広範な路線網と運行本数の多さを反映し、多数の車両が配置されている。一般路線バスの中心は大型車で、神奈川中央交通全体で多数派を占める三菱ふそう・エアロスターが多く在籍する。かつては日産ディーゼル製車両も多く見られたが、現在は運行を終了している。ただし、同社からのOEM供給車両であるエアロスターSやエアロミディSは少数ながら現役である。また、いすゞ自動車製の中型車エルガミオも配置されている。ミニバス路線（東50・東55）向けには、小型の日野・ポンチョが専属で使用されている。

「YAMATE LINER」（11系統）には専用デザインのノンステップバスが導入されており、60系統で使用されることもある。その他、フォートンヒルズ送迎バスや雙葉小学校のスクールバスといった特定の輸送契約に基づく車両、過去には空港リムジンバス用の高速車も配置されていた。2023年11月には、神奈川中央交通が新たに導入したカラーデザインを纏った最初の車両が当営業所に配属され、運行を開始した。

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