立石 (葛飾区)

東京都葛飾区立石：下町情緒と再開発が交錯する街

立石（たていし）は、東京都葛飾区の中西部に位置する地名です。葛飾区役所が所在し、区の行政中心としての役割を担っています。この記事では、立石の地理、歴史、そして現代の姿を詳しく解説します。

地理

立石は中川の西岸に位置し、亀有から約3km南にあります。西は国道6号、南西部は平和橋通りを境に四つ木に、南は奥戸街道を境に東立石に、東は中川を境に奥戸に接しています。かつては湿地帯を開拓した水田が広がり、海抜ゼロメートル地帯でした。

京成本線が町の北東で青戸との境界となり、京成押上線が地域を貫いています。京成立石駅は地域の中心であり、駅前には立石仲見世商店街やスーパーマーケットが軒を連ねています。かつては「せんべろの街」として知られていましたが、現在は駅前の大規模再開発が進められています。

町内には区役所周辺にも商業エリアが広がり、オリンピックやサミット、コジマなどの店舗があります。近年は中小工場の跡地を利用したマンション建設が盛んです。

歴史

古墳時代から江戸時代

立石は古墳時代後期には既に開けていたと考えられています。立石八丁目周辺には、南蔵院裏古墳や熊野神社古墳といった古墳跡が存在します。立石様は、近郊の古墳の石室と同質の房州石でできており、古代の官道（東海道）の道標として転用されていたと考えられています。

室町時代の1398年には、地名としての立石が初めて記録に登場します。江戸時代には、立石村から川端村、原村など7つの村が分村しました。享保年間には中川の河道が短絡され、外側に残された地域は「立石新畑」と呼ばれました。

この時代、立石は米や農産物を江戸に供給する農村地帯であり、本田ウリという特産品がありました。また、江戸で発生した下肥を運搬・販売する人々もいました。江戸後期から明治後期にかけては、柴又帝釈天への参詣道として賑わいました。

明治時代から現代

明治時代には、立石は小菅県に属した後、東京府に編入されました。1889年には立石村が成立し、後に本田村と改称しました。1912年には京成電気軌道が開業し、京成立石駅が開設されたことで、都心へのアクセスが向上しました。

関東大震災後には、罹災民が流入し、宅地化が進みました。耕地整理事業により、整然とした区画が形成されました。同時期には工業化も進み、セルロイド工場や染色工業が発展しました。

1932年には東京市に編入され、葛飾区が誕生しました。区役所はかつしかシンフォニーヒルズの位置に移転しました。戦後は闇市が形成され、京成立石駅北側には特飲街ができました。1947年にはカスリーン台風により甚大な被害を受けました。

1960年代には、都営地下鉄との相互直通運転が開始され、京成立石駅前にスーパーマーケットがオープンしました。1966年には住居表示が実施され、現在の立石一丁目から八丁目が成立しました。

現在の立石

近年、京成立石駅周辺では大規模な再開発が進められています。駅周辺の商店街は再整備され、新しい商業施設やマンションが建設される予定です。しかし、立石には昔ながらの下町情緒も残っており、多くの人々がその魅力を求めて訪れます。

立石は、過去と未来が交錯する魅力的な街です。再開発によって利便性が向上する一方で、下町情緒や歴史的な遺産も大切にされています。ぜひ一度、立石を訪れて、その魅力を体験してみてください。

地価

2025年1月1日の公示地価によれば、立石2-5-10の地点で37万8000円/m2、立石5-23-2の地点で38万4000円/m2となっています。

交通

京成押上線：京成立石駅

都営バス、京成タウンバス、京成バスの各バス路線があります。

道路：国道6号（水戸街道）、東京都道60号市川四ツ木線（奥戸街道）、東京都道308号千住小松川葛西沖線（平和橋通り）

主な施設

葛飾区総合庁舎（区役所など）
葛飾警察署
本田消防署
かつしかシンフォニーヒルズ
立石図書館
ヨークフーズ立石店
立石仲見世商店街
立石熊野神社

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