笑福亭鶴志

笑福亭 鶴志

笑福亭 鶴志（しょうふくてい かくし、本名：冨松 和彦）は、1955年（昭和30年）8月24日に大阪市で生まれ、2020年（令和2年）5月8日に64歳でその生涯を閉じた日本の落語家です。出囃子には『鞍馬』を用いていました。

来歴

学生時代、平安高等学校では野球部に所属し、捕手を務めていました。卒業後、1974年6月5日に六代目笑福亭松鶴の門を叩き、落語家としての道を歩み始めます。高座名に関しては、当初「鶴枝」となる予定でしたが、師匠・松鶴のわずかな外出中に急遽「鶴志」に変更されたというエピソードが残っています。師匠の晩年には内弟子として長く仕え、また専用の運転手も務めていました。この師匠との濃密な日々での経験は、しばしば自身の高座における「枕」として語られました。

初舞台は1975年。特筆すべきは、上方落語家としては珍しく、関西圏以外である愛知県名古屋市の大須演芸場で行われた点です。この時の演目は「つる」でした。

晩年には病との闘いがありました。2018年に肝臓癌を患い、肝臓の半分を摘出するという大手術を受けますが、驚異的な回復力を見せ、再び高座へ戻ることを果たしました。しかし、2020年5月7日に体調不良を訴え緊急搬送され、翌8日の午前0時54分、心不全および腎不全のため惜しまれつつも死去しました。

人物

100cmを超えるスリーサイズを持つ巨漢としても知られ、その風貌から「上方落語界の武闘派」と称される笑福亭一門を体現する存在と見なされていました。落語家仲間では、五代目林家小染、桂文華、桂福矢らと特に親交が深く、「鶴志ファミリー」と呼ばれるほどでした。また、先輩の若井はやととも非常に親しく、はやとの門下であるタレントの森脇健児は、鶴志に大変世話になったと語っています。

主な活動

得意ネタとしては、「笠碁」、「長短」、「平の陰」、「試し酒」などが知られています。

受賞歴としては、1982年に「第3回ABC漫才落語新人コンクール」で最優秀新人賞を獲得。さらに1997年には「大阪文化祭賞」の奨励賞に輝いています。

また、多くのメディアで活躍しました。

CD・DVD:

CD
『繁昌亭らいぶシリーズ 10 笑福亭鶴志』（2009年）
『上方落語名人選 笑福亭鶴志・笑福亭福笑〜珍品抱腹 上方お色気噺〜』（2012年）
『上方落語名人選 露の五郎・笑福亭鶴志〜秘蔵版 上方お色気噺〜』（2012年）
DVD
『繁昌亭らいぶシリーズ 10 笑福亭鶴志』（2009年）
『らくご in 六本木 スペシャルセレクション親子会』（2010年）

テレビ番組:

おとなのえほん（サンテレビ）
わいわいサタデー（朝日放送）
THE ビッグチャンス（朝日放送）
鶴瓶と花の女子大生（関西テレビ、1981年4月 - 1985年9月）
紫頭巾 京洛の大粛清（フジテレビ）

ラジオ番組:

ABCヤングリクエスト 鶴志のハガキで勝負（朝日放送ラジオ）
福笑の福袋（ラジオ大阪）
笑福亭鶴志のスポーツナイスキャッチ（KBS京都）
笑福亭鶴志のサンデーナイスキャッチ（KBS京都）

CM:

ジャスコ（現：イオン。1983年）
ヤマエ食品工業 天然だし入りみそ（1980年代中頃、九州ローカル）
関西テレメッセージ（1990年代前半）
日本コカ・コーラ「綾鷹」（2012年）

このように、笑福亭鶴志はその個性的な人物像と確かな噺の腕で、多くのファンに親しまれ、上方落語界に確かな足跡を残しました。

（記述項目：人物紹介、来歴、人物、主な活動（得意ネタ、受賞歴、CD/DVD、出演）、結び）

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