第1水陸機動連隊

第1水陸機動連隊（だいいちすいりくきどうれんたい）について

第1水陸機動連隊は、長崎県佐世保市の相浦駐屯地に駐屯する陸上自衛隊水陸機動団隷下の連隊です。この部隊は、島嶼防衛・奪還を主たる任務とし、水陸両用作戦能力に特化した精鋭部隊として知られています。前身は「西部方面普通科連隊」であり、その高度な訓練と経験が、現在の連隊の基盤となっています。

概要

第1水陸機動連隊は、水陸機動団の主力部隊の一つとして、3個の普通科中隊と対戦車中隊を基幹としています。西部方面普通科連隊時代から、島嶼防衛を目的とした上陸作戦訓練を重ねており、その能力は高く評価されています。部隊の性格は、アメリカ[[海兵隊]]のフォース・リーコンに類似しており、隠密裏の潜入、遊撃、情報収集、そして逆上陸部隊の誘導などを主任務としています。アメリカ[[海兵隊]]との共同演習も積極的に行っており、両用戦能力の向上に努めています。

西部方面普通科連隊の設立経緯

西部方面隊は、九州・沖縄の防衛を担っており、広大な守備範囲を有しています。多数の島嶼を抱えるこの地域は、不安定な情勢に晒されており、離島が敵対勢力に攻撃されるリスクも存在します。このような状況下で、占領された離島を迅速に奪還するための先遣部隊として、2002年3月に西部方面普通科連隊が創設されました。この部隊は、離島におけるゲリラ戦に対処できる特殊[[部隊]]としての側面も持ち合わせていました。

西部方面普通科連隊の特徴

西部方面普通科連隊は、通称「西普連」と呼ばれ、英語表記の頭文字から「WAiR（ワイアー）」とも呼ばれていました。また、地元の方言から「バラモン部隊」とも親しまれていました。隊員の多くがレンジャー資格を有しており、水路潜入訓練など特別な訓練を受けています。ヘリコプターによる空輸やヘリキャスティングによる海中への降下、ゴムボートを使った離島への潜入や強襲など、多様な戦術に対応可能です。海岸から離れた沖合からの水路潜入や、ヘリコプターによる島々への移動など、詳しい運用方法は公開されていませんが、その高い能力は広く知られています。

西部方面普通科連隊の編成

約660名で構成され、隊員の約7割がレンジャー資格保有者です。海上[[自衛隊]]のスクーバ課程の教育も受けています。連隊本部、本部管理中隊、3個普通科中隊、対戦車中隊で編成され、各普通科中隊にはレンジャー小隊が設置されています。これは、自衛隊初の常置レンジャー部隊となりました。第1空挺団からの転属者も受け入れており、隊員の能力向上に努めています。

沿革

- 2002年 3月27日：西部方面普通科連隊が相浦駐屯地で新編。
- 2003年 3月27日：後方支援体制移行に伴い、整備部門を移管。
- 2005年1月：アメリカ軍との共同上陸演習「アイアンフィスト」に初参加。以降、毎年参加。
- 2010年12月：第1空挺団と初の日米共同訓練を実施。
- 2013年6月：アメリカ軍の統合訓練「ドーンブリッツ13」に初参加。本格的な島嶼上陸訓練を実施。
- 2018年 3月27日：水陸機動団発足に伴い、第1水陸機動連隊に改編。