第10軍団 (北軍)

南北戦争における北軍第10軍団の軌跡

南北戦争中、北軍の重要な戦力であった第10軍団は、その活動範囲と役割を大きく変えながら、激戦を戦い抜きました。本稿では、その設立から解散、そして再編成に至るまでの歴史を詳細に辿ります。

設立と初期の活動

第10軍団は、1862年9月13日に正式に発足しました。その構成は、サウスカロライナ州とジョージア州東部で活動していた部隊が中心であり、名目上はフロリダ州の部隊も含まれていましたが、実際にはその指揮下に置くことはできませんでした。初代軍団長にはオームズビー・M・ミッチェルが任命されましたが、残念ながら1862年10月30日に黄熱病により急逝しました。その後、ジョン・ブランナン、デイビッド・ハンター、クインシー・ギルモア、デイビッド・バーニー、アルフレッド・テリーといった将軍たちが、この軍団の指揮を執りました。

チャールストン作戦とフロリダでの戦い

軍団は1862年から1863年にかけて、チャールストンを巡る一連の作戦に深く関わりました。ジェームズ島やモリス島への攻撃、そして第二次ワグナー砦の戦いなどがその代表例です。一方、フロリダにいた部隊は、同地最大の戦闘であるオラスティーの戦いに参戦しています。これらの戦いを通じて、第10軍団は確かな戦闘能力を培っていきました。

ジェームズ軍への編入と激戦

1864年初頭、クインシー・ギルモア将軍の指揮下にあった第10軍団は、ベンジャミン・フランクリン・バトラー少将率いるジェームズ軍に編入されました。この編入により、軍団は新たな戦場へと赴くことになります。バミューダ・ハンドレッド方面作戦では、5月12日から16日にかけて行われたプロクターズ・クリークの戦いで大きな損害を被りました。しかし、その後のコールドハーバーの戦いでは、ポトマック軍を支援し、第二次ピーターズバーグの戦いでは主力として戦うなど、重要な役割を果たしました。

解散と再編

1864年12月、第10軍団は一度解散されることになります。この時、白人部隊は新設された第24軍団に、そして黒人部隊は第25軍団へとそれぞれ編入されました。しかし、旧第10軍団の部隊は、その後の第二次フィッシャー砦の戦いにも参加し、その戦力を遺憾なく発揮しています。

1865年3月、第10軍団は再編成され、ジョン・マカリスター・スコフィールド将軍が指揮するノースカロライナ軍管区に配属されました。その後、ベントンビルの戦いでは、ウィリアム・シャーマン将軍の軍の一部として参戦し、南軍のジョセフ・ジョンストン将軍の降伏を見届けることになりました。戦後、第10軍団はサウスカロライナ州とジョージア州で基地任務に就き、1865年8月にその歴史に幕を閉じました。

まとめ

南北戦争における第10軍団は、その発足から解散、再編成に至るまで、常に戦場の最前線に立ち続けました。初期のチャールストン作戦から、ジェームズ軍の一員としての激戦、そして終戦まで、その歴史はまさにアメリカ南北戦争の縮図と言えるでしょう。その勇敢な戦いぶりは、アメリカの歴史に深く刻まれています。

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