第101師団 (日本軍)

第101師団

第101師団は、1937年（昭和12年）に日中戦争勃発を受けて編成された大日本帝国陸軍の師団の一つです。常設師団の番号に100を加えた特設師団として、中国大陸での作戦に投入されました。その短い活動期間の中で、重要な役割を果たしました。

沿革

1937年（昭和12年）7月、日中戦争が勃発すると、日本軍は戦力増強のため、常設師団に加え、特設師団を編成しました。第101師団もその一つとして、同年9月1日に留守第1師団の担当で編成されました。

上海派遣軍司令官であった松井石根大将の要請により、第9師団、第13師団と共に第二次上海事変における増援部隊として上海戦線に投入されました。上海戦終結後、同年12月には南京攻略戦に参加し、攻略部隊の側面支援のため、揚子江沿いに西進しました。鎮江で渡河し、対岸の揚州攻略に従事しました。

1938年（昭和13年）2月14日には、新設された中支那派遣軍の戦闘序列に編入され、徐州会戦を戦いました。その後、7月4日には第11軍に編入され、武漢作戦、南昌作戦に参加しました。1939年（昭和14年）11月7日に復員し、翌1940年（昭和15年）2月25日に廃止されました。その活動期間は短かったものの、多くの主要な作戦に参加し、激戦を経験しました。

師団概要

上級部隊

上海派遣軍
中支那派遣軍
第11軍

歴代師団長

伊東政喜 予備役中将：1937年（昭和12年）9月3日 - 1938年（昭和13年）11月9日
斎藤弥平太 中将：1938年（昭和13年）11月9日 - 1940年（昭和15年）2月25日

参謀長

西山福太郎 歩兵大佐：1937年（昭和12年）9月1日 - 1938年3月1日
国武三千雄 砲兵大佐：1938年（昭和13年）3月1日 - 1939年（昭和14年）11月7日

所属部隊（編成時）

歩兵第101旅団： 佐藤正三郎予備役少将
歩兵第101連隊（東京）：飯塚国五郎大佐
歩兵第149連隊（甲府）：津田辰参大佐
歩兵第102旅団： 工藤義雄予備役少将
歩兵第103連隊（東京）：谷川幸造大佐
歩兵第157連隊（佐倉）：福井浩太郎大佐
騎兵第101連隊：大島久忠大佐
野砲兵第101連隊：山田秀之助中佐
工兵第101連隊：八隅錦三郎大佐
輜重兵第101連隊：鳥海勝雄中佐
師団通信隊

主要な戦い

第101師団は、第二次上海事変、南京攻略戦、徐州会戦、武漢作戦、南昌作戦など、日中戦争の主要な戦いに参加しました。これらの戦いにおいて、歩兵を中心とした部隊が前線で奮闘し、師団全体として重要な役割を果たしました。特に、上海戦線での増援や南京攻略戦における側面支援は、その後の戦局に大きな影響を与えたとされています。

参考文献

鈴木淳・古川隆久・劉傑編『第百一師団長日誌 伊東政喜中将の日中戦争』（中央公論新社、2007年） ISBN 978-4-12-003835-8
外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

関連項目

大日本帝国陸軍師団一覧

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