第13戦車中隊

第13戦車中隊：変遷と団結の象徴

陸上自衛隊第13旅団に所属していた第13戦車中隊は、岡山県勝田郡奈義町の日本原駐屯地に駐屯していた機甲科部隊です。この部隊は、その歴史の中で、戦車大隊から戦車中隊へと組織を改編し、装備の更新、そして最終的には他部隊との統合を経て解隊しました。

部隊の概要

第13戦車中隊は、1999年3月2日に第13師団の旅団化に伴い、大隊編成から中隊編成へと縮小改編されました。中隊本部、3個の戦車小隊、そして偵察小隊で構成され、旅団直轄の戦車中隊として、戦車大隊隷下の戦車中隊よりも増強された編成となっていました。当初はコア部隊として第4戦車小隊が存在しましたが、後に廃止されています。

シンボルマーク

第13戦車中隊のシンボルマークは、第13戦車大隊時代に本部管理中隊の隊員によって制作されました。このマークは、日本の国旗「日の丸」を基調とし、「清らかな国民性」と「燃えるような誠の心」を表しています。日の丸の中の3本の矢は、毛利元就の故事にちなんでおり、第13戦車大隊の隊員の「堅い団結」を表しています。また、「矢」は各戦車中隊を、「握った手」は本部管理中隊を表していました。部隊改編後も、「矢」を各戦車小隊、「握った手」を中隊本部と置き換え、その伝統を継承していました。

部隊の沿革

第13戦車大隊時代

1962年1月18日：第13戦車大隊が今津駐屯地で編成されました。
1965年6月30日：日本原駐屯地へ移駐しました。この時、装備戦車はM-4中戦車とM-41戦車でした。
1970年3月10日：師団改編に伴い、第4戦車中隊が新編されました。
1972年3月：61式戦車が配備されました。
1981年3月25日：第2混成団の新編により、第4戦車中隊は第2混成団戦車隊に改編されました。
1990年3月25日：戦車の北転事業の影響で、第3戦車中隊が廃止されました。
1993年3月：74式戦車が配備されました。
1999年3月28日：第13戦車大隊が廃止され、最後の61式戦車が用途廃止となりました。

第13戦車中隊時代

1999年3月29日：旅団化に伴い、第13戦車中隊が中隊本部、偵察小隊、4個戦車小隊で編成されました。
2004年3月29日：後方支援体制の変換により、整備部門が第13後方支援隊第2整備中隊戦車直接支援小隊に移管されました。
2008年3月26日：第4戦車小隊（コア部隊）が廃止されました。
2023年9月8日：16式機動戦闘車が配備されました。
2024年3月20日：部隊が廃止され、第13偵察隊と統合し、第13偵察戦闘大隊（出雲駐屯地）に改編されました。

廃止時の部隊編成

第13戦車中隊は、以下のような編成でした。

中隊本部
中隊本部班
補給班
通信班
偵察小隊
第1戦車小隊
第2戦車小隊
第3戦車小隊

部隊表示は、全車両が「13戦」と表示されていました。

第13戦車大隊の編成（1970年3月10日当時）

第13戦車大隊本部
本部管理中隊「13戦-本」
第1戦車中隊「13戦-1」
第2戦車中隊「13戦-2」
第3戦車中隊「13戦-3」：1990年3月25日に廃止
第4戦車中隊「13戦-4」：1970年3月10日新編、1981年3月24日廃止。第2混成団戦車隊に改編

廃止部隊

第4戦車小隊：2008年3月26日廃止。旅団改編により3個普通科連隊編成となったため、1個小隊が廃止されました。

整備支援部隊

第13後方支援隊第2整備中隊戦車直接支援小隊：2004年3月29日以降

主要装備

74式戦車
16式機動戦闘車
96式装輪装甲車
軽装甲機動車
1/2tトラック／73式小型トラック
1 1/2tトラック／73式中型トラック
3 1/2tトラック／73式大型トラック
89式5.56mm小銃

参考文献

PANZER臨時増刊　ウォーマシンレポート50　陸上自衛隊の戦車部隊　その歴史と現状　アルゴノート社　2016
陸上自衛隊機甲科全史　菊池征男著　イカロス出版　2017

関連項目

富士学校 / 富士教導団 / 機甲教導連隊
第3戦車大隊 / 第10戦車大隊 / 第14戦車中隊

外部リンク

陸上自衛隊 日本原駐屯地【公式】サイト
* 陸上自衛隊日本原駐屯地【公式】 (@CAMP_NIHONBARA) - X（旧Twitter）

第13戦車中隊は、その歴史を通じて、自衛隊の変遷と団結の象徴として、その名を刻みました。

もう一度検索